13話『失意のコンサート』
どの位・・・
泣いたのだろう?
「有り難う…」
そう言って 私は 安藤さんの腰に回していた手を 静かに 離した。
「佐奈ちゃん…」
心配そうに 私の顔を 覗き込む 安藤さん…
(この人は…本当に 優しい人だ…)
私は そんな 安藤さんに
「本当に…もう 大丈夫だよ…迷惑かけて ご免なさい…」
そう言って、微笑んだ。
「良かった…」
安藤さんは、安心したように そう言うと…私に 微笑みを 返す
ふと、安藤さんの肩越しに歩道橋の上を見ると!?
もう…人も まばらになった 歩道橋の上で 五嶋さんに、抱き締められながら 美紀が 大きな声で 泣いていた。
(美紀…)
安藤さんも 振り返り 歩道橋の上を 見上げる
そして
「君の悲しみは 美紀ちゃんの悲しみでも…有るんだね!?」
そう 小さな声で 囁いた。
(美紀… ごめんな… 私…いつまで経っても…こんなんで…)
(本当に…ごめん…)
私は 歩道橋の上で 私の為に 泣く美紀を 見上げ…
何度も…そう 呟いた。
その後、4人で食事をして
美紀達と 別れ…
私は 家に戻った。
(パタンッ)
玄関のドアを 閉めると
「ぐぅ~」
奥の部屋から ママの寝息が 聞こえる。
壁の丸時計を 見上げると
もう…夜中の12時を 回っていた。
私は 冷蔵庫のドアを開き
麦茶を取り出し グラスに
注いだ。
乾いた喉に 麦茶を ゴクリと
流し入れ…
グラスを、ダイニングテーブルの上に置くと
(ハァ~)
深いため息が 口から 零れた。
別れ際の…安藤さんの言葉を 思い出す。
自宅の前で 「有り難うございます!」
そう頭を 下げて 車から 降りた 私を 安藤さんは
「ちょっと 待って!! 佐奈ちゃん!!」
そう言いながら 車から降り、呼び止めた
美紀と五嶋さんは
「10分したら…拾いに来るから!」
安藤さんに 笑顔で そう言うと… 車で 何処かに 消えてしまった。
なんか 気まずい…雰囲気に… (多分…さっき、泣いてしまった 私のせいだな… )
少しの間… 続いた 沈黙の中で
私は そんな事を 考え うつ向いた。
その時
「何かさ…今日 知り合ったばかりで こんな事 言うの 自分でも おかしいと 思うけど…」
突然の…安藤さんの 言葉に 私は
「えっ?」
自分の目線より 少し上の安藤さんを 見た
「僕と 付き合って くれないかな…」
安藤さんは そう言って
私を、見詰める…
街灯に 照らし出された 安藤さんの瞳が 揺れていた
「あの…」
私は なんて 答えて良いのか 分からず…
思わず、下を向いてしまった。
「ごめんね…急に…なんかさ… 君の事が 気になるんだ 返事は ゆっくりで いいよ…考えて見て…」
そう言いながら「じゃあね!」 背中を 向ける安藤さん…
そして 数歩 歩くと 又 振り返り…
「あっ 自分の車じゃ無かったんだ!! 今日…」
そう言って 苦笑いを しながら 頭を(ポリポリ)と かいた。
(クスクス…)
(面白い…この人)
思わず、笑みが 零れる
安藤さんは そんな私を見て
「うん!いいね!佐奈ちゃんの笑顔!最高に 可愛いよ!」
そう言って 笑った。
「えっ!?」
私は…思いがけない言葉に 思わず 下を 向いてしまったけど…
笑顔になると…目尻に もう何年も前からの、習慣の様に 出来る 安藤さんの 笑いじわに
(きっと 笑顔の毎日が 多い人なのかな~)
そんな事を 思い 親近感を
覚えた。
麦茶を もう一杯 グラスに注ぐ…
(ハァ~)
私は 2回目の 深い ため息を ついた。
泣いたのだろう?
「有り難う…」
そう言って 私は 安藤さんの腰に回していた手を 静かに 離した。
「佐奈ちゃん…」
心配そうに 私の顔を 覗き込む 安藤さん…
(この人は…本当に 優しい人だ…)
私は そんな 安藤さんに
「本当に…もう 大丈夫だよ…迷惑かけて ご免なさい…」
そう言って、微笑んだ。
「良かった…」
安藤さんは、安心したように そう言うと…私に 微笑みを 返す
ふと、安藤さんの肩越しに歩道橋の上を見ると!?
もう…人も まばらになった 歩道橋の上で 五嶋さんに、抱き締められながら 美紀が 大きな声で 泣いていた。
(美紀…)
安藤さんも 振り返り 歩道橋の上を 見上げる
そして
「君の悲しみは 美紀ちゃんの悲しみでも…有るんだね!?」
そう 小さな声で 囁いた。
(美紀… ごめんな… 私…いつまで経っても…こんなんで…)
(本当に…ごめん…)
私は 歩道橋の上で 私の為に 泣く美紀を 見上げ…
何度も…そう 呟いた。
その後、4人で食事をして
美紀達と 別れ…
私は 家に戻った。
(パタンッ)
玄関のドアを 閉めると
「ぐぅ~」
奥の部屋から ママの寝息が 聞こえる。
壁の丸時計を 見上げると
もう…夜中の12時を 回っていた。
私は 冷蔵庫のドアを開き
麦茶を取り出し グラスに
注いだ。
乾いた喉に 麦茶を ゴクリと
流し入れ…
グラスを、ダイニングテーブルの上に置くと
(ハァ~)
深いため息が 口から 零れた。
別れ際の…安藤さんの言葉を 思い出す。
自宅の前で 「有り難うございます!」
そう頭を 下げて 車から 降りた 私を 安藤さんは
「ちょっと 待って!! 佐奈ちゃん!!」
そう言いながら 車から降り、呼び止めた
美紀と五嶋さんは
「10分したら…拾いに来るから!」
安藤さんに 笑顔で そう言うと… 車で 何処かに 消えてしまった。
なんか 気まずい…雰囲気に… (多分…さっき、泣いてしまった 私のせいだな… )
少しの間… 続いた 沈黙の中で
私は そんな事を 考え うつ向いた。
その時
「何かさ…今日 知り合ったばかりで こんな事 言うの 自分でも おかしいと 思うけど…」
突然の…安藤さんの 言葉に 私は
「えっ?」
自分の目線より 少し上の安藤さんを 見た
「僕と 付き合って くれないかな…」
安藤さんは そう言って
私を、見詰める…
街灯に 照らし出された 安藤さんの瞳が 揺れていた
「あの…」
私は なんて 答えて良いのか 分からず…
思わず、下を向いてしまった。
「ごめんね…急に…なんかさ… 君の事が 気になるんだ 返事は ゆっくりで いいよ…考えて見て…」
そう言いながら「じゃあね!」 背中を 向ける安藤さん…
そして 数歩 歩くと 又 振り返り…
「あっ 自分の車じゃ無かったんだ!! 今日…」
そう言って 苦笑いを しながら 頭を(ポリポリ)と かいた。
(クスクス…)
(面白い…この人)
思わず、笑みが 零れる
安藤さんは そんな私を見て
「うん!いいね!佐奈ちゃんの笑顔!最高に 可愛いよ!」
そう言って 笑った。
「えっ!?」
私は…思いがけない言葉に 思わず 下を 向いてしまったけど…
笑顔になると…目尻に もう何年も前からの、習慣の様に 出来る 安藤さんの 笑いじわに
(きっと 笑顔の毎日が 多い人なのかな~)
そんな事を 思い 親近感を
覚えた。
麦茶を もう一杯 グラスに注ぐ…
(ハァ~)
私は 2回目の 深い ため息を ついた。