13話『失意のコンサート』 | 真実のノート

13話『失意のコンサート』

会場内は 見る見る内に

人で いっぱいに 埋めつくされた。

ザワザワと ざわつく会場内

(美紀…)

私は 美紀を見たが
五嶋さんと 安藤さんを、間に 挟んでいるため…美紀は 私に 全く 気が付いて くれない…

(何で、泣いたのか? 涙の訳を 聞きたくて しょうがないのに…)

思わず、爪を噛む私!

その時


「そろそろ 時間だよ!」

隣の安藤さんが 私の耳元で 囁いた。

と 同時に 会場のライトが
一斉に消え、会場内が 真っ暗になった。


さっき迄の ざわつきが 消え、 シーンと 静まりかえる…


ステージの 両側の 大画面に ERiのデザインしたと言う

ERiのシンボルマーク! 折り紙で作られたと言う…三つ葉のクローバーが 大きく くるくると 回転しながら、回り始めた
7色のスポットライトが ステージと
会場を ぐるぐると 交差しながら、回り出す!!

同時に、会場に ERiの 登場を 盛り上げる アップテンポな 曲が 流れ出した。

「えり!! えり!! えり!!」

ERiの登場を 待ちわびる
ファン達が 一斉に 立ち上がり、リズムに乗りながら

ERiコールを 繰り返す!!

会場は 客達が かざす 三つ葉のクローバー入りの うちわで 埋めつくされた


「すっ 凄い!!」

立ち上がったものの 余りの 凄まじい 熱気に 唖然としていると

「ほら!!」

安藤さんが 私に みんなと一緒のうちわを 渡してくれた!

「せっかく 来たんだから思いっきり 楽しもう!!佐奈ちゃん!!」

そう 大声で 叫び 安藤さんは (ニコリ)と 私に 微笑んだ。

(優しい人だ…)

私は 「はい!」そう返事をして… 安藤さんに 微笑みを 返すと

みんなと 一緒に ERiコールの仲間に 加わった!

「えり!!えり!!」


思いっきり 叫んでいると
何だか、さっきまでの 憂鬱な 気分が 段々と 晴れてくる!


曲は 段々 加速度を 増してゆき

ピタリと 止まった。

7色のスポットライトも 一斉に 光を止め

辺りは 静寂な 闇に 変わる、

(停電?)

私が そう思うと 同時に
ステージに 一筋の透明な スポットライトが あたった。


そこには いつ 舞い降りたのか?

純白の衣装に 身を包んだ
長い髪の天使が いた。


「ERiだ!!」


安藤さんが 興奮して そう叫ぶ!

それと同時に 会場内には
地割れの様な、歓喜の声と 拍手が 鳴り響いた!

それも つかの間 スローなバラードが 流れ出すと

会場は また 一斉に 静寂へと 変わる。


(ERi?あれが ERi?)

少し 遠目だったが 私は
彼女の 余りの透明感に

息を飲んだ。


ERiの 口から 初めて曲のフレーズが 流れた時

もう… 会場内からは 泣き声が 漏れていた。

もはや…人間では無く

天使の囁き… ERiの歌声は
そんな、異次元の声だった

私は あの日… 誠に

「こんな…CD要らない!」

そう叫んで 投げつけた後

CDを 拾い 誠が
好きだ!と 言った… この目の前で 歌う シンガーの歌を何度も聴いた。

あの時には 感じなかった
感動が 私を 彼女の歌声と
共に 包み込んでゆく…


全てを…綺麗に 洗い流す様な そんな彼女の歌声…

何故…ERiと言う シンガーが
人々に いつまでも 色あせる事なく 絶大な 人気を 誇っているのか!?


今、やっと…分かった様な

そんな気がする…


ERiの曲は ほとんどが バラード系だったが 時には…アップテンポな曲もあり

曲が 流れる度に 私達は リズムをとったり 静かに目を閉じて…聴いたり
結構 忙しかった(笑)

また、ERiは その歌声とは対象的に 天然ボケが あるのか?

トークの最中で ベースギターのコードで、つまずいて 転んだりして… 結構 私達を 力いっぱい 笑わせてくれる(笑)

(本人は そのつもりは 無いと 思うのだが…)



そして… 最後の 曲が 流れ…熱唱したERiは 感動と言う余韻を残し… ステージの中央から 静かに 下に 降りて行った


(とうとう…あの曲は 唄わなかったな…)


そう思った時

「アンコール!! アンコール!!アンコール!!」

会場から 一斉に 手拍子と共に アンコールの 叫び声が 聞こえた。


隣を 見ると!?


安藤さんも その向こう側の五嶋さん 美紀…みんな手拍子をしながら

「アンコール!!」を 繰り返していた。


私も 慌てて…手を叩き、みんなと 一緒に ERiに アンコールを 送る



そして… どの位「アンコール!!」と、叫んだだろう!?



暫くしてから…



再び…場内は 暗闇に 包まれた。


ステージにスポットライトがあたり…
ERiが 再び…ステージに登場する


割れる様な 拍手が ERiを


迎えた!!