2話『初めての送信』 | 真実のノート

2話『初めての送信』

何故か?

それ以降の、返信は無く

次の、日曜日も、彼からのメールは、届きませんでした。


「あちゃ~ 彩香ちゃん 振られちゃったぁ~?」


日曜日の夕方、私は そんな事を思いながら、洗濯物を、取り込んでいました。

(カァ~ カァ~ )


何処からともなく、カラスの、鳴き声…


6畳2間の、古く、狭い…
アパートに、詫びく 夕日が、暮れてゆきます。


私は、少し 首を傾げ…

「トホホだよ~」


と、呟きました。







11月03日 (月曜日)

午前 9時05分


連休の最終日…

朝から、子供達と、プロレスごっこをしていると…


<ピピピ…>


という…メール音が、台所の、ダイニングテーブルの上から響きました。


卍固めをほどき… 子供達の、「ママ~!やめちゃ、やだぁ~」の言葉に、背を向け… 携帯を開くと…


大「暇やなぁ~ 彩香ちゃん 何しとるん?」


「!!」


彼からの、メールです!

とっくに、振られたと思い
ちょっとだけ…忘れかけていた、矢先の彼からのメール…

嬉しいのと同時に、私は
『彩香』への、切り替え
モードを、急ぎました。