その塀に扉を探すのはお勧めしません運良く扉を見付けても電流が1、2度流れますそのノブに手を掛けるのはお勧めしません一度入ったら主人が追い出すまで出られない恐れがありますそれでもあなたが扉を探しそのノブを回して入ってくるのを灯りもない小さな部屋で涙を乾かし待っています
食む焼けたアスファルトが煙る蓋をした灰色の雲が落とす雨泣けない僕の代わりに泣いてどうやって誤魔化してきたんだろう指先に身に覚えのないまま滲む赤脈に乗せて伝わる痛みが臓器を押し上げて喉を塞ぐ昨日浮かんだフレーズは夢から覚めると消えていた海のない街で育った僕は海が恐くて仕方がなくて酸化した痛みを流す術を知らない大事に守ってきたお姫様が涙目でこっちを睨んでるんだ優しいあなたは決して僕のせいだと言わないけれど青と灰色が混じった空はもうすぐ暮れる人工灯が照らし出す雨の日のような街で今日した呼吸を数えては誰そ彼に分からないけど「ごめんね」とまた命を食む