TVのバラエティで
カンボジアのアンコ−ルワットの
様子が流れてきた
夫が 42年勤めた会社を定年退職
した時に 退職記念の旅行で
ベトナム カンボジア旅行に
行った際に訪れた場所だった
久しぶりに 二人で海外旅行
どこに行こうと夫に聞いても
どこでも良いよと言うので
私が行きたかった所へ
ウキウキと計画を立てる私の話を
夫はいつも笑顔で聞いていたなぁ
旅行の手配や カンボジアのVisaを
領事館に取りに行ったり
大変だけどそれも楽しかった
ベトナムではハロン湾を見たくて
ハノイから3時間もかけて行ったけど
これが期待外れの汚い海
五島で育った私には
どうしてもそう見えてしまった
海の水は凄く濁ってお世辞にも
キレイとは言い難い💦
ベトナムの最終日に食べた食事に
あたったのか
カンボジアに移動するために
行った空港で 具合悪くなり吐き下し
5時間の待ち時間の間
ずっと吐いていた
何とか飛行機に乗っても
飛行機の中でも吐き続け
着いた時には フラフラで
迎えに来たガイドさんが
これから夕食ですと言うのを
無理言ってホテルに直行してもらった
夫も 私に付き合って夕食抜きに
なってしまい 申し訳なくて
着いたら夜は買い物に行こうねと
言っていたのにそれも出来なくて
何とか体調は戻ったけど
食事が殆ど取れなくて
体力的にはきつかったけど
それでも楽しみにしていた
アンコ―ルワット
どうしても行きたいから
スケジュール通りに参加しました
夫はものすごく心配したけど
暑さもそれ程ではなくて
何とか楽しめました
夜明け前のアンコ−ルワット
アンコ―ルトム
夫は私に歩調を合わせ
一緒にゆっくり歩いてくれた
他にも 色々トラブルもあったけど
本当に楽しい旅で
まだ回りきれてない場所に
もう一度来たいね
必ず もう一回連れてきてね
そう言っていたのに
TVの映像で忘れてた記憶が 蘇り
ここに行って ここで写真を撮って
この場所に座って 壁に書かれた
文字を2人で見つめて なんて
すべて覚えている
あの旅行の時も 私達は仲良しで
二人で過ごす和やかな時は
宝物だった
TVで見た景色に思い出が蘇るのと
同時に胸に痛みを感じ
息苦しくなった
あの時の事を 夫と語る事は
もうできないのだと
そうだ 夫はもういないんだ
時々 もういないんだと言う事を
忘れている自分がいる
もうあの時のことを話せない
あの笑顔が見れない
そうか もういないんだ