今日でGWも終わり
TVに映る多くの人混み
こんなに沢山の人が居るのに
夫に似た人は一人も居ないんだな
夫みたいな人は居ないんだな
どんなに混んだ人の中でも
私は夫を見つけられた
家のベランダからも
帰る時間を知らなくても
ふと外を見ると歩いてくる
夫を 何故かいつも見つけられた
今は はぐれたらスマホで
連絡出来るけど
そんなものが無い時代
混み合う空港や
新幹線や夜行バスのお迎えに
来てもらった時も
お互いにすぐに見つけられた
付き合う前にも
帰省した帰り 空港で
預けた荷物を待っていると
偶然 鹿児島の結婚式に
行ってたという夫と
出くわした事がある
こんな広い空港で
沢山の人の中で
全然違う便に乗っていたのに
振り向いたらそこにいて
まだ 付き合ってもいないのに
何故か 不思議な縁を感じていた
だから それから
半年も絶たず結婚する事に
なっても 何の迷いもなかった
まるでずっと昔から
知っている人のような
懐かしさというか
安心感というか
こうなる事は前から決まっていた
のではないかと思えた
親に反対されようと
また早いと諭されようと
きっと結婚できると
何故かそんな変な確信があった
なのに
もうどんなに人混みを探しても
貴方は居ないんだ
こんなに沢山の人が居るのに
似た人は一人もいないんだ
夫が亡くなる ちょっと前から
夫の後ろ姿を見ながら
何故かいつも不安で
何処かに行ってしまうような
置いていかれるような
変に心がザワザワして
理由もなく怖くて
時々 ふざけたふりをして
後ろから抱きしめた
しんどいふりをして
手を繋いでもらった
夫も いつも以上に孫達を可愛がり
一緒に遊びに行って
沢山の想い出を作った
いつもは
義母のお見舞いに行っても
私に任せきりで
義母の相手をしないのに
最後に会った時だけは
ゆっくりと話に耳を傾けた
誕生日や 父の日のお祝いに
満面の笑みで初めて写真を撮った
穏やかで幸せな日々だったのに
私は どこから来るのか分からない
不安に 真夜中に
夫に抱きついて起こしたこともある
夫は優しく 笑って どうした?と
抱きしめてくれたけど
今が一番 幸せなはずなのに
なぜか 不安で
いつかこの幸せが崩れる
そんな予感がして怖かった
思い過ごしなら良かったのに
お互いに
どこかで 別れが来ることを
感じていたのかも知れない