先日 兄の家に行った時に

実家の昔の家の話になった


元々 私のうちは今の島ではなく

もっと小さな島にあったらしい

私が生まれる前に

子供の学校の事などを考えて

親戚から古い家を買い

引っ越してきたのだという


もう少し我慢していれば

全島民の退去が決まり

町の用意したきれいな家に

住む事が出来たのに

つくづく運の悪い両親だった


私の記憶の中のその家は

広い土間と囲炉裏があって

お風呂は五右衛門風呂

トイレは外にあって 

冬は寒いし 夜は暗いし

怖かった


座敷の床下には昔 

防空壕として使われてた

空間があり

サツマイモを保管するのに

使っていた

畑から掘って来た

サツマイモを入れる時の

記憶はあるのだが

アレは一体いつどうやって

取り出していたのかなと疑問だった


兄が必要な時取りに行かされた

と話した

身の軽い兄が取りに行く役目で

梯子もなくて

勢い付けて 駆け上がって

登って来たんだと

色々やらされたよ~と話は盛り上がる


私が中学に上がる頃

新しく家を立て直したので


幼い頃のおぼろげな

記憶しか私にはなく兄の話で

それがつながっていく


夏に寝る時は

蚊帳を張って たまにその中に

兄がホタルを捕まえてきて

電気を消して光を楽しだりした

(リアル火垂るの墓だな~)


年末には土間で杵を使って

餅つきをした

大家族だから作る量も半端なく

つき上がったお餅を皆で丸める

その他カンコロ餅も

母が長細く形を整えて

出来上がった餅は

縁側に運んで並べた


縁側で花火をしたり

スイカを食べたり

古い家が嫌いだったけど

楽しいこともあったなぁ


黒く光る大きな大黒柱も

家の中心にあって

背くらべの跡が残っていた


皆で一緒に隙間なく布団を

敷いて寝る様な生活だった


プライバシーもなく

ケンカも一杯したけれど

ワイワイ 

ガヤガヤ賑やかで

一番幸せな風景だった

のかも知れない