私の母は ちょっと不思議な人だった

たまに 誰かが亡くなったり 

身内が 怪我をしたりするのを

事前に感じる事があった

予知能力でもあったのか 

ただ感がいいだけなのか 


山口県に住む祖母が

亡くなった時も

知らせの電話がなる前に

出かける準備を始めてびっくりした 


倒れてまだ息はあったが

間に合うかどうか 

何しろ島なので数えるほどの

船便しかない

乗り遅れたら出発は

次の日になってしまう

バタバタと準備をして

父と二人で出かけて

なんとか息を引き取る前に

着くことができたそうだ


その祖母は亡くなった

その年の夏 突然

一人でうちに遊びに来た


私は 母の弟夫婦と暮らす祖母とは

それまで会ったことがなく

中学生2年生のこの時初めて会った


背筋の伸びた元気な人で

話すこともしっかりしていた

若い頃は習い事や

役員を持つのが好きで

殆ど家に居なかったと

母に聞いたことがある


楽しそうに過ごしていたが

2ヶ月ぐらい過ぎた頃 

今度は急に帰ると言い出し

また山口に帰っていった


それから2ヶ月経った頃

電話がなった

急性の腹膜炎で危篤状態だと…


その時 母は祖母は助からないと

喪服も全部持って行った


祖母は癌とか何かの病気を

持っていたわけではなかったけど 

こうなると 自分の寿命が

分かっていたのかと思う


最後に娘と一緒に

暮らしてみたかったのだろうか

母も最後に親孝行できて

良かったと泣いていた


母はその他にも色々な事を言い当てた

勿論 事が起こってみなければ

わからないことだから 

母が黙ってる時も多かったけど


たまたまの偶然か運命なのか

わからないことって沢山ある