葬儀が終わると
待っていたのは沢山の手続き
娘がやるべきことを
リスト化してくれた
市役所で死亡が記載された
戸籍謄本を発行してもらう
これには１０日間ほど日数がかかる
年金関係の手続きに
必要なのでなるべく早く手続きする
年金事務所は予約制なので
書類をそろえて
実際 手続き出来たのはひと月先だった
市役所では住民票の抹消及び
世帯主の変更
新しい住民票の発行
水道の名義変
更引き落とし口座の変更
印鑑証明カードの抹消と返還
私と娘の印鑑登録
印鑑証明の発行
介護保険証の返却
夫が亡くなったのが
お盆休みの期間中で
保険や会社関係など
ほとんど手続き出来ない
出来ることからやって行こう
息子が日本に居るうちに
仏壇を購入し
納骨堂も契約した
家族そろって
話し合いながら
購入したかったから良かった
夫が倒れたゴルフ場にも連れて
行ってもらった
夫が亡くなった場所
とても綺麗な所
もしかしたらお父さん
まだ死んだと気づかず
にここに居るかもしれないね
連れて帰らなきゃね
ゴルフ場の人が丁寧に対応してくれた
あの日のことを詳しく話してくれた
夫がカ−トに乗ったまま
意識を失った
６ホールにも連れて行ってくれた
平日だったが
沢山の人がプレーしている
邪魔にならないように
見えない所に
お花を供えさせてもらう
「お父さん 一緒に帰ろう」
息子がタイに帰る日が来た
タイに戻ったら
息子にはやってもらわないと
いけないことがある
日本に住民票がない
息子は印鑑証明が取れない
タイの領事館に行って
在留証明書とサイン証明書を
取ってきてもらわないといけない
遺言書なんて用意していなかったから
遺産分割協議書を
急いで作って息子に渡す
それにサイン証明をしてもらう
ややこしいけどお願い
４９日に帰国するその時までに
もらって来て欲しいとお願いする
タイに戻ったら仕事が忙しい息子
「出来ることはやるから大丈夫だよ」
と言ってくれた
主人の部屋を
娘と二人で 色々 探して
キャッシュカード類や
小遣い用の銀行のカードを見つけ出す
亡くなったときに
持っていた財布にたいていの物は
入っていたけど
暗証番号をとかは分からないな
健康保険組合や
保険会社に連絡して
書類を送ってもらう
夫が契約者の私の保険も
名義変更が必要
企業年金 ＮＨＫ
カード会社の解約
夫が予約を入れていたゴルフ場や
病院の取り消し
マンションの世帯主変更
引き落とし口座の変更
やることが膨大だ
加えて４９日の準備もしなくては…
銀行口座はこちらから
言わない限り
凍結されることは無いと
そっと葬儀屋が教えてくれたので
色んな引き落としが終わって
私の口座に引き継がれるまで
しばらくそのままにしておく
どのみち書類もそろってないし
あちこちから書類が届くと
一つ一つ確認しながら記入して
書類をそろえていく
やってるうちに
訳わからなくなってくる
この手続きに必要な書類は何？
これで良いのか迷いながらやっていく
たくさんの書類に
夫の名前と自分の名前を
ひたすら書いていく作業
それは 夫の名前を消していく作業.…
泣きながら書いていく
やってもやっても終わらない作業
夫の車も処分しなくてはならない
私は運転できないし
息子はタイだし
娘はゴールドのペーパードライバーだ
誰も運転しないなら
毎月の駐車場の料金もバカにならない
来月が車検だった
いつもなら早めに車検を
受ける夫だったのに
今回はなぜか予約も入れていなかった
どっちにしても
車検終わってすぐ売るなんて
事にならなくて
良かったのかもしれない
長い付き合いの
担当の人に連絡してみる
びっくりして言葉を失っていた
車に関しては細かい手続きも
一切全部やって頂いた
売却も一番高く売れるよう
奔走してくれた
ほんとに有り難かった
やることが多すぎて
悲しむことが出来なかった一か月
疲れているのに
夜眠れない日が続く
毎日 夜も 昼も
ずっと暗闇に取り残されたような
苦しい哀しい切ない時間
毎日一緒にご飯を食べ
ＴＶを見て笑って過ごして
たくさんおしゃべりして
一緒に眠った日々
何も特別なことは無かったけど
平穏で幸せだった日々
それが…
一瞬で崩れ去ってしまった
今日も買い物に行って
夫婦連れの人を見ると涙が溢れて
辛くなる
ついこの間まで
私たちもあんな風に
一緒に歩いてたのに
足元が揺れる
立っているのも辛い
もう何もかもが辛い
こんなにたくさんの人が
居るのに貴方だけがいない・・・