- 診療室にきた赤ずきん―物語療法の世界 (新潮文庫)/新潮社

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内容:
「むかしむかし、あるところに…」まさか精神科を受診して、昔話や童話を聞かされるなんて誰も思ってもみなかっただろう。でも、患者たちの当惑はすぐ驚きに変わる。そこに繰り広げられるのは自分の物語なのだ。悩みを抱えた心の深層を「赤ずきん」「ももたろう」「幸運なハンス」「三びきのこぶた」などで解き明かす、ちょっと不思議で、ほんとうは不思議じゃない12話の「心の薬」。
昔から伝わっている昔話には、裏の意味(?)があると言われていますよね。
それらの解釈を一例を患者の病状に合わせて、
わかりやすく説明するツールにしています。
確かに、童話や昔話って馴染みがあるし、わかりやすいから、
患者さん側としては「すっ」と言葉が入ってきやすそうですね。
時には例に出した精神科である著者の斜め上を行く解釈をして、
想像以上に前に進んでいく患者さんもいたのが印象的です。
著者は書いていました。
「『今日の私の顔、どう?』と聞かれたとき、『化粧ののりが悪くなっているみたい』なんて説明するより、『ほら』とバッグから手鏡を出して渡してあげる方が親切でしょう。鏡を見れば誰でも自分の『本当の問題』(?)に自分で気が付くものです。物語もまったく同じです。童話や昔話は精神科医が患者に差し出す『鏡』です。そこには、患者の『本当の問題』が映し出されているのです。」
『本当の問題』。
これがわからないから、悩み苦しむんですよね。
そして、これって自分で『本当の問題だ』って理解して納得しなきゃいけないんです。
その点、こういう診察の方法は、押し付けることなく自主的に緩やかに
自身で問題を発見できる手助けとして、とても有効ですよね。
もちろん全てが小説のように上手くいくとは思いませんが、
それでも回復した患者さんがいることは確実だと思います。
読みものとしても非常に面白かったです♪