ひとりで生きるということ | フィールド・ダイアリー

フィールド・ダイアリー

~カンボジア、ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ、アフガニスタン~ 


「この近くの公園に寝泊りしている子どもがいるそうです。」


スタッフの一人から報告を受けました。


聞くところによると7,8歳の男の子が、一人で路上や公園などで寝泊りしているのを彼の息子が見つけたといいます。


「すぐに、どんな事情があるのか聞いてみないと。」


今にも飛び出しそうな私に、待ったをかける別のスタッフ。


「ジャララバードでも、この地域で子どもが何泊も一人で路上にいるのをほっとかれるのは、何かあるはずです。きちんと調べてからにしましょう。」


私たちの活動では、こういった子どもたちへ住居を提供することはしていません。簡単なことではないからです。


ただ、こういった子どもたちに出会う可能性が多い中で、見過ごすことはできないと一時保護はするようにしています。


子どもの状況によって、しかるべき先へと紹介、手続きを行う支援をしますし、ひとまず安全な場所へと避難することが重要だと思っています。


しかし、現実はそれほど甘くありません。


様々な問題があり、私たちでは解決できない場合も多いのです。


こういった子どもたちへの危険はとても大きいです。


犯罪組織たちが、テロや犯罪の要員として子どもたちを誘拐することもありますし、性的目的のために連れ去られることもあります。


密輸の運搬等にも使われるケースもあります。


何だか気になって眠れない夜を過ごしました。



翌日、男の子は事務所にやってきました。


年齢は8歳。カブール北部ショマリ地方の出身です。


両親は、土地が原因の争いで殺害されました。しばらくは、親戚にあずけられたものの、カブールに捨てられたのです。


しばらくは路上生活をしたものの、薄着の上に裸足でマイナス30度にもなるカブールの冬に耐えられず、いつしか人々についてジャララバードまでやってきました。


今は、モスクで寝泊りしています。


うそだとわかっていても、「2日間食べていない」と言う子にご飯を渡すと、むしゃぶりつくように食べます。


モスクでは、最低限の食べ物と寝る場所は与えられています。


でも、誰も親代わりではありません。何だかつまらなくて、夜はふらっと公園にやってきて眠りにつくのだといいます。


やせ細り、ぼろぼろの衣服。両足そろわない避けたサンダル。


「この近くに、君みたいな子のための学校と寄宿舎があるけど、興味はある?」


との問いかけに、少し悩む様子。


「僕は、犯罪者になりたくないんだ。この国にも迷惑かけたくないな。」


まだ、8歳のわりには大人のようにしゃべります。


しばらく考えてうなづく子ども。


私たちは、翌日この子どもが寝泊りしているモスクを尋ねることにしました。