この前、アメリカで話題をさらった誘拐・監禁事件がありました。当時11歳だった女の子が誘拐され、その後、18年間にわたり自宅裏の庭で監禁されていたという恐ろしい事件。非常に気の毒なことに、誘拐したおやじとの間に、2人の子どもまでできていたというとんでもない内容です。誘拐された女性、子ども2人は無事に保護され、現在は本来の家族と一緒にいるようです。
この報道の中ででてきたのが、身近にいる性犯罪者を検索できるサイト、Family Watchdog 。
自分のZIPコードを入力すると、地図上に、近隣にいる性犯罪者が検索され、犯罪の種類や、顔写真まで見ることができてしまいます。ラスベガスの周辺を見てみると、いるいる。こんなにいるのかと驚きました。ちなみに、自分自宅の周りは、比較的少ないほうでしたが、それでも数マイルの範囲内に二人ほどお住まいのようです。さすがに、自分のコミュニティのゲート内にいないのは安心しました。
こうした性犯罪者の住所を公開には、ミーガン法という法律の存在が背景にあるようです。1994年に、当時7歳の少女・ミーガンちゃんが顔見知りの男に誘拐、殺害されてしまった事件で、この時、周囲がこの男が過去性犯罪で逮捕歴があったことを知らなかったことから、その反省として、事件の起きたニュージャージー州および連邦議会で、性犯罪者の住所登録、告知を可能にする法律が成立したという経緯のようです。
ただし、いろいろ問題もあるようで。まず方法論の問題。この法律は性犯罪を犯し釈放された後、住所登録を義務付ける法律なのですが、そもそもその住所が不正確だったりとか、その後、引っ越した場合などのトレースができてないケースもある模様。従い、すでに性犯罪者が住んでいないにもかかわらず、その住所の人が嫌がらせを受けたり、放火にあい、関係ないお子さんが亡くなってしまったという痛ましい事件すらあるようです。
また、そもそも論。性犯罪者の再犯を防止する法律なのですが、法施行前後で見た場合、必ずしも再犯率の抑制には繋がっておらず、むしろ、法施行後の方が再犯のサイクルが短くなっている、という調査結果もあるようです。また、法成立の背景となった事件のような猟奇的な犯罪に該当する犯罪者は、公開されている犯罪者の3%程度で、それ以外の犯罪者の更正機会を奪ってしまっているという議論も当然ながらあります。また、犯罪者への暴力を誘発し、あらたな犯罪を生む危険もはらんでいるといえます。
賛否両論あり、難しい問題だとは思いますが、子どもを持つ親としては、やはり重度な罪を犯した犯罪者は公開して欲しいし、登録、公開する犯罪者の人数を絞る分、住所のトレースもしっかりやって欲しいと思います。確かに更正機会も必要だと思いますが、人生取り返しのつかない罪とそうでない罪があるのではないかと思うので、一線を越えてしまった犯罪者については、更正の機会が阻害されることもやむを得ないのではないかと思います。