遅刻より臭くない空気 | 働きアリのブログ

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働いても働いても遊べません

あ。
電車逃した。

しょーがないなー。
とぼとぼと階段をホームに向けて下りる。
朝の1本は田舎駅を利用する者にとっては貴重な時間ロスに繋がる。

今朝は早く会社に着きたかったのに。
どーすっか。
どーするもねー。仕方無い。待つしかない。

ホームの中ほどにベンチがあり、若者が大きなバッグとともに占領している。
サンドイッチやら、おにぎりを頬張っている。
朝飯食べ損ねたのか。

苦笑しながら、通りすぎようとすると
ッズ。ズズゥーー

麺をすする音。
ラーメンの匂いが朝のホームに漂う。
強烈。

梅雨も近いし、気温も高い。

臭い匂いは勘弁して欲しい。


もーっちとなかったか?選択肢が?匂いが凄いだろう??
駅外のコンビニでお湯を入れて、ここまで持ってきたんか。
まー丁度、3分くらいだな。

そのうち、下り電車が到着し、大勢の乗客が下りる。

「なんだ?」
「臭いぞ」
「異臭だ」
「クスリの匂いがする」
「げ?くっさー」

口々にそう言って通りすぎていく。
しまいに、
「腐った肉の匂いがする」などと言う輩も。

そこまでじゃないだろう?
な、食べてる奴がいる以上はさ。



腹ごなしした連中が、ゴミをジュースの自販機の缶入れに突っ込み、移動した。
匂いだけが残った。

まだ電車の中が臭いよりましか?


待っていたのぼり電車がやってきた。
ドアが開いて、客が下りる。

中年のおばさんが頓狂な声を上げる。
「まぁーーー。何?この匂い?」
「ゴミが置いてあるんだわ」
「誰かがもどしたんじゃないの?」

我々が電車に乗込んでも電車のドアは閉まらず、発車しない。
何?


ややあって、駅員がホームに駆け付ける。
ハンカチで口を抑えている。
匂いのするあたりの車両からは、乗客が他へ移動する。

そこまで臭いか?


ああ、確かにさっきのラーメンの匂いになんか混ざってよりパワーアップしている。
これは?
ラーメンの匂い以外に何か臭い。

何だろう?

あ。あいつだ。

飯を食べていた連中と同じ車両にくたくたのスーツを着た若い会社員が乗っていた。
スーツがいつ洗ったんだかペカペカに光っていて、シャツの首周りが茶色に汚れている。
プーさんというわけではないが、こういう格好をしたプログラマーが居たっけなー。

多分、単独じゃ、臭いといっても騒がれるほどではないところへ、強烈ラーメン臭の彼等がそばに寄ったので、倍増。いや、5倍位に臭い場所になってしまった。

飯喰っていた連中とその汚スーツの彼がのんびり車両の長い椅子に座っていた。
何事もないように。

臭い同士だから、気にならないんだろーなー。


電車はドアが閉まり、彼等の周りの人は避難した。
私も失礼ながら、隣の車両に逃げた。
電車が動くと空気も動く。
しまった。隣くらいでは、まだ匂う。

次の駅に着いて、もう1つ隣にさらに移動した。


臭いのは、かんべんしてよ。

さらに2先の駅で別の始発電車に乗換えた。


もちろん会社は遅刻。
だが、あのまま1時間30分もあの匂いを嗅ぎ続けてはいられなかった。

遅刻より、臭くない空気を選んだ。