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病室で彼女はしばらく、眠り、そして、私たちは病院を出た。
外はもう暗かった。
彼女が私は知り合いだといい、救急隊のひとにも、病院でも、別に何も言われなかった。
二人は町の中、風の中を歩いていた。
「どうして私倒れちゃったのだろう。よくわからない」
彼女はつぶやくようにそういった。
「ねぇ、生きていける?」思わずそう聞いていた。
「どうして?」
「昔ね、君と似た友人がいてさ、その彼があるとき、自ら命を絶ったからさ」
「そう。でも、私もわかんないかな。でも、3日間ぐらいなら、いきられそうかな」
彼女は言った。
「そうか」
「でも、死んだ人たちってどうなるんでしょうね?」
「俺にもよくわからないけどさ、その友人が昔言っていたのは、この世界には2種類の人間がいるかもしれないってことかな。
ひとつの人種はまあ、この世界で生きるのが、楽しいらしい。でも、もう一種の人たちは生きずらさを覚えながら、毎日を生きている。そして、彼らはこの地球を「愛」というものに目覚めさせるためにこの世界に遣わされるらしい。
だから、苦しい。
でも、この世界に彼らがいなくなったら、この世界は地獄になってしまう。」
「そう。不思議な話ね」
彼女は私の言葉を否定しなかった。
「私、本当に殺しちゃうかもしれない。」
彼女は言った。
「ああ。殺せばいいさ。
今はぴったりだ。
少女にみだらな行為をしようとしている、中年男性。
正当防衛だ。
ためらうことはないさ。俺をひと思いにつきさせばいい」
彼女は黙っていた。
そして、彼女の震えはさらにひどくなった。
私もまた、震えていた。
「愛しているよ」私は彼女に言った。
ぐったりした重みが私の両腕にのしかかってきた。
彼女は気を失ってしまったのだ。
私も気を失いそうだった。
私は携帯電話で救急車を呼んだ。
人だかりができてきた。
私の社会人生活も終わるだろうなと、私は覚悟を決めた。
私もいっしょ に救急車に乗った。