あの夜に起きたことが
最近よくフラッシュバックする。
今まで、ただの一度でも、
両親を、家族を拠り所だと思えたことがない。
家族に愛されていると感じたことは殆どなかったし、
何が間違っているのかずっと考え続けたけれど、
ドラマや映画や周りの人たちに聞くような、
「いい家族」に成る余地がわたしの家族にあるのかすら、わからなかった。
わからなかったから、努力してみたの。
信頼されるには先ず自分が行動に移さなきゃと思って、
胸の内を明かしたこともあった。
あなたたちの言うことに逆らったことは一度もなかった、
なかったのに、
わたしの言葉にはいつだって耳を傾けてくれなかった。
よく知りもしないぽっと出の赤の他人の言葉の方を真っ先に信じていた。
いつだって子供は嘘吐きで、
誰だって大人は嘘を吐かないの?
他人の嘘を直ぐに間に受けて、
よく娘に手を上げられるよね。
友だちの家に泊まりに行くのは断固反対するのに、
電気ひとつない、雨を凌ぐ屋根もない夜空の下 助けを乞う娘をよく置き去りにできたね。
あの夜わたしが犯罪に巻き込まれていたなら、
それをも「自業自得だ」って嘲笑っていたの?
いったいどんな思いで、
「心配している」だの
「愛している」だの嘘を吐けるんだろう
わたしを信じてくれなかったみたいに、
わたしも何一つ信じられないよ。
昔から嘘吐きだけは、大嫌いなんだ。