時雨がいて 私がいて
ゲームをしていたら
時雨が眠くなって迷惑そうな顔をしたから、
難しいステージを成るべく待たせないで終わらせるために
そのステージの最後だけを時雨に任せた。



深夜
何故か食べたくなったのか
ケーキを買いに家をでた。
外は寒い冬真っ直中で手袋をはめても
手がきんきんに冷える
寒い冬の深夜
自転車に乗って、バッテリーが切れて
道標の電気が灯らない その自転車で
複雑に入り組んだ 危ない道を進み、
ケーキを買いに行こうとした。
すると、眠っていた母親が目覚め、
夜は暗くて1人で自転車で遠くに行かせるのは
危ないとおもッてくれたのか、
一緒に行くと言った。
ケーキ屋さんにつくと、少し悩んでから
私は大好きなチョコレートの甘くて美味しいケーキを選んで
母親はいつもの調子で、汚い言葉を浴びせてきて
そんな様子で、注文するのに悩んで手間取っている私たちを待ち飽きた表情でうんざりしていた女性の店員さんに頼もうとしたら、
母もひとつ買うと言って、チーズケーキを頼んだ。
ケーキを作る、シェフのぉじさんッぽい人がでてきて、
店員さんと親しげに話をしていた。
仕事に何やッてんだか…‥
頼んだケーキを箱に詰める店員にふいに母は、
別に包んでもらえないかと 私を通して訊いたけれど
申し訳ありませんが、それはできません。と、
シェフのおじさんと意味深に目を合わせて蔑むような笑みを浮かべて断られた
さッきから気になってはいたが、態度の悪い店員だ。
大体、シェフのおじさんとどんな関係なんだよ
仕事中にいちゃつくなんて、どうかしてる。
少し腹を立てながらも店をでた。
家に帰る道は、深夜なのに車の渋滞ができていた
それに、何故か 運転する人は皆、男の人ばかりで
女は 私と、母親しかいない……
自転車に乗って、不安と恐怖を感じながらも早く帰れないかとひたすら待っていたら
ふと気付いた。
……… ん?
母親が、いない
何処にも、いない
ケーキ屋さんの中にも、いない
何処…?
男しかいない真夜中、夜道、冬、自転車で独り 取り残されて
不安にかられて 震えながら必死に家まで ペダルをこいだ。
暗い 暗い
何も、見えないけど 止まれない
ゆッくりしている余裕も、暇もない
気付いたら後ろから男の人が、追って来る
殺される 殺される…
母は何処? あの中の誰か、男の人に連れて行かれたの?
生きているの?
家に帰れば、わかる
父親に、知らせなきゃ
ぉ母さんを、早く 探さなきゃ
怖い 暗い 怖いよ… 殺される……
もうすぐ、家に着く
あと 少し
あと 少し 逃げ切れば
安心しちゃいけない安心したら、 油断したら、追いつかれて、殺されるんだ…
家の近くの池のある坂…
柵がなくて、自転車に乗った小学生が落ちて死んだッて、
ニュースになってたな…
暗い 寒い 見えない
落ちて、死ぬかも知れない
家は、目の前なのに……
それでも必死になって池には落ちずにすんで
汗と涙で額と頬を濡らして
自転車を投げ捨て
後ろから迫る恐怖に逃げるように家の中にかけこんだ。
ドアをあけると、そこには…
父と母が隣り通しに眠っていてけど
ホッとするのは、まだ早い
私の入ってきたドアは 大きく開いている
窓も 風を通すために親が開けておいたみたいだ
正面玄関は?
今度は、背中の恐怖に向き合って
早く 早く 早く 閉めなければ
奴が入ってきて 殺される前に全部 閉めなきゃ
怖かった 怖かったけど、冷や汗を拭う間もなく、
素早く入ってきたドアから、家の戸締まりを全部 全部締め切って 確認をした。
まだ残る恐怖と親が生きていた安心感と、(問い掛けると、寝言のように母親は 「ケーキ、あんたのぶんだけ冷蔵庫にしまったわよ」と言ってくれた涙が溢れた…
気付くと、目が覚めた
冷や汗をかいて
慌てて両親が寝ているのをみたら
夢と、全く同じようにすやすやと 眠っていた
こんな夢をみた後で、また独りで眠りにつく勇気はなくて…
親の寝ているところへ行って、グダグダに涙を流しながら夢の話をして
明日の朝は、きッと ここまで細かく覚えていないだろうから、
今 この日記に 私のみた夢を最後まで
ひとつ残らず記しました。
怖かった……‥本当に、怖かった。
この夢には、何か意味があるのだろうか
否 あるのだろう
気になるけれど……如何しても、 辛い夢だッたから。

by 黒月