ERASER - BLACK

ERASER - BLACK

孤高の DDR プレイヤー、ひぽぽのお部屋。

Amebaでブログを始めよう!
急行電車通過待ちの駅に停車し、隣の座席の女性が降りる。
そのまた隣、リクルートスーツのような黒い衣装の女性が座っている。

その女性の横顔にふと視線を向けると、
しっかりと整えられた化粧の頬を、一筋の涙が静かに流れている。
駅で降りる女性は優しげな表情で、
涙する女性にティッシュを渡していった。

ぽっかり空いた間の空席を挟み、
女性は急行電車通過待ちの間も涙を流している様。
そちらに直接視線を向ける事など到底できず、無難な方角に視線を投げながら、
涙する女性の気持ちを、理由も分からないまま慮るしか術が無かった。

涙を流す女性は、隣の駅で席を立った。
ホームを歩く後ろ姿にどうしても視線を向けてしまった時、
涙の理由がなんとなくわかった。
黒い衣装が、喪服の様に見えた。
正解に辿り着く必要など無くとも、その後ろ姿で十分だった。