今回は外国の彫刻家二人の作品を紹介します。

 

 ヘンリー・ムーア Henry Moore (1898-1986)  “二つに分断された人体” 1979 

 

 20世紀のイギリスを代表する彫刻家で、大きな野外彫刻で知られています。横たわる人体は彼の彫刻の主要なテーマの一つで、生命の力と大地の力を含む人体像を生命感あふれる抽象的な表現で追求しました。

 

 彼は 「私にとって、彫刻とは内部に生命を持っていなければならないものである。生命力である。彫刻は有機的な形態への感情や、ある種の情念や暖かみを持っていなければならない。」 と言っています。この作品は彫刻ストリートでは唯一建物側に設置されていますが、もう少し大きな作品であったらと思いました。(1994年10月設置)

 

 

 

 

 

 

 エミリオ・グレコ Emilio Greco (1913-1995)  “座る婦人像” 1980

 

 石工から出発して第二次世界大戦後に彫刻家として活躍、イタリア現代具象彫刻を代表する一人となりました。うずくまる女性像は彼の追求したテーマの一つで、不自然なポーズをとった人体の筋肉の緊張を通して生命の確かな存在を感じるのです。

 

 日本の彫刻家にも大きな影響を与えましたが、箱根彫刻の森美術館のグレコガーデンを始め各地に彼の作品が展示されています。(1994年10月設置)