私の家の隣の市に日本画家吉岡堅二(1906~1990)の旧宅が現存し、今は東大和市が管理して東大和郷土美術園(仮称)として春秋に公開されている。吉岡が1944 昭和19年から1990平成 2年に亡くなるまで住んだ農家を改造した住宅・アトリエで、緑に囲まれた昔の雰囲気がよく残されている。

 

 

 

 

 吉岡が住むようになった当初は写真のような茅葺の家だったが、養蚕の影響をうけた明治中期に建てられた名主の家だったという。吉岡は広い土間をアトリエに改造し、庭にはいろいろな草木を植え、ヤギ・キジなどの動物を飼って作品のモチーフにしたそうだ。1962 昭和37年に本格的に改造をして現況のようになった。

 

 

 

 

 展示されていた大きな作品は 「麦の風」、1936 昭和11年の制作で、爽やかな風に穂が揺れる麦の秋の風景にアゲハチョウが。日本画の伝統と革新に向きあって活動した昭和の画家の一人だった。(作品の写真は東大和市立郷土博物館 『吉岡堅二』 より)