三江線に乗る前日三次(みよし)の街を歩いてみました。
三次は江戸時代には広島藩(安芸)浅野氏の支藩で
山を背に三方を川に囲まれた城下町でした。
藩の北に位置する水運に恵まれた町で商業が盛んだったそうです。
赤い巴橋を渡ると住吉神社が鎮座し、この左側から石畳の本通りが始まります。
神社のすぐ近くに3棟の立派な民家が建っていました。
最初の家は2階の窓が今風になっていますが昔の様子がよく残っています。
軒下の看板を見ると 「天下一品 奏効如神」 とあります。
「効き目は神の如し」 とはすごいです。
薬屋さんだったのですね。
隣の家の接する部分ですが
昔の職人の丁寧な仕事ぶりが見られます。
2軒目の家は見事に昔のままです。
妻を壁にして屋根より一段高くし小屋根をつけた造りです。
これが 「うだつ(梲)」で、防火と装飾を兼ね
1軒目の家の二階の屋根下の小壁と比べるとだいぶ違います。
まさに家の富の象徴ですね。
虫籠(むしこ)窓の二階は全面を漆喰で固め、一階は格子になります。
通りを行くと昔の面影を残すこのような家が何軒かあります。
規模は小さいですが最初の家と同じような造りです。
おそらく江戸時代には大小のこのような家がこの通りに並んでいたのでしょう。
通りは2か所でこのような寺などにぶつかって曲ります。
見通しのきかないこのような造りはいかにも城下町ですね。
電柱をなくして石畳の通りにしたのはよいのですが
なにか物足りない、もう一工夫欲しいというのが
三次の街を歩いた一人の旅人の感想でした。