法隆寺の西門の外には寺内の人ごみが嘘のような静かな集落があり

有名な藤ノ木古墳がこの里を通り抜けたところにある。

 

西門を出るとすぐ土塀の家があり、塀に穴が開いていた。

中を覗くと愛宕神社のお札が祀ってあった。

屋敷の安全(火伏せ)を願ったのだろう。

 

 

 

 

さらに進むと古風な造りの家があった。

一階の太い竪格子が目につくが、全体に竪の線が美しい造りだ。

 

 

 

 

 

 

焼き板の黒と白壁のコントラスト美しい民家が何軒もある。

 

 

 

 

 

塀越しの梅の花

 

この辺りを西里と言うが、しっとりと落着いた住宅が並び

法隆寺と同じように歴史の重みを感じる里の風景だった。

 

 

 

 

 

 

 

通りが尽きるとすぐ左手に藤ノ木古墳が見えた。

6 世紀後半に築造された大きな円墳

 

未盗掘の石棺の中から 2体の遺骨と豪華な副葬品が発見され

近くの文化財センターでその精巧なレプリカを見たが驚くばかりだった。

本物は橿原の博物館にあるそうだ。

 

築造年代は聖徳太子の少し前の時代になるが

古墳から寺院へ

劇的な大変化だったのだと改めて感じたのだった。

 

なお今年になって東京国立博物館で特別展 「出雲と大和」 が開かれて

この古墳出土の 「金銅装鞍金具」(国宝)も展示された。

ところがコロナウィルスの感染拡大のために途中で休館となり

その他の貴重な展示品もあわせて見損なってしまったのは大変残念な事だった。