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旧會津八一記念館・西海岸公園   

おりたてばなつなほあさきしほかぜの すそふきかへすふるさとのはま 

(飛行場に降り立つと、夏もまだ浅い潮風が着物の裾を吹き返すよ、故郷の浜は。)

 

 歌集 『寒燈集』 の 「雲際」 に収められた 7首の中の1首。東京で戦災にあった會津八一が1945 昭和20 4月に故郷新潟に帰ったときの歌。 歌碑は新潟市内の旧會津八一記念館入口の前にある。生誕100年を記念して1981 昭和56年 4月に建てられたが碑文が読みにくいとの理由で7月に改刻されたそうである。歌碑に厳しい八一が元気だったらありえないことだろう。 

 歌碑の歌に変体かなと2字連綿・3字連綿が見られるのは八一の書としては珍しいと加藤僖一さんが書かれている(『會津八一のいしぶみ』)。


 

   みゆきつむまつのはやしをつたひきて まどにさやけきやまがらのこゑ
(雪の積もった松の林を伝って来て、窓にすがすがしくひびく山雀の声よ。) 

 

 「寒燈集以後」 の 「松の雪」 5首の中の1首。1946年12月の作。碑蔭に1989 平成元年10月に市制100年を記念して名誉市民會津八一の歌碑を建てたとある。會津八一記念館の裏手には日本海からの風を防ぐように広大な松林が広がっている。この西海岸公園の静かな松林の中に碑は建っている。人影まばらに小鳥の声が響き、まことに八一の歌にふさわしい場所だが、残念なのは碑石の全面が磨かれているため鏡のようになって碑文(歌)が読みにくいことだ。 

 写真は會津八一記念館が現在地に移る前のようすで、現在もこのままか移動したか不明。
現在の記念館前には新しい碑が建っている。(歌の大意は西世古柳平による。)

 

(會津八一歌碑巡礼 新潟 5)

 

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