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先日新聞の投書欄(「毎日新聞」69日)で高校生の二つの意見を読んだ。一つは愛国心に関するもの、もう一つは憲法改正に関するものだった。それぞれの意見には言いたいこともあるが、それはともかくこの二人の意見には感心した。

 

というのは、二人とも自分の経験や努力をもとに自分の考えをまとめていることが素晴らしいと思ったのだ。これはできそうでなかなかできないことで、大人たちの多くも他人の意見に乗ったり、その場の雰囲気に同調したり、新聞やテレビの報道に影響されたりすることが多くて、自分で調べたり考えたりして自分の考えをまとめる努力をしている人は少ないと私は思っている。だからこのような若者が増えることに期待すると同時に大人たち(自分も含めて)も自らを省みてしっかりしなければと思った。

 

また、先日はトランプ大統領が国賓として来日したことが大きなニュースとなったが、ほとんどの日本人にはテレビで見る出来事で直接に関係することではなかった。その後イギリスに同じく国賓として招かれたときには、イギリスで反対するデモが行われたことがテレビで報じられた。「イギリスではこうしたデモが堂々と行われるのだ」と私は驚いた。やはり民主主義の歴史の違いだろうかと考えてしまう。日本でもトランプ大統領の言動に批判的な人は私も含めてたくさんいるだろうに、大統領の来日に反対の言論や行動はなかったようだ(私の知る限り)。もし来日反対のデモを計画したとしたらどうなっただろうか。

 

「時代の風」という新聞のコラム(「毎日新聞」526日)で藻谷浩介さんが「今の日本は、現実を調べず、無意識に「感じたままが正しい」と考えてしまう人だらけだ。」として、「空気に付和雷同し事実を自分の目と手で確認しないという習慣が、政財官学界の中枢から市井の庶民の世界まで、上下左右にまん延したことこそ、平成年間に進んだ真に憂慮すべき日本の劣化ではなかっただろうか。」と指摘している。こうした指摘を私たちはそれぞれに真剣に受け止める必要があるのではないかと思う。