古民家の縁側に腰掛けた
吹き抜ける風の心地よさが
懐かしいあの場所に似ている

ねぇ、銀杏の樹
あなたの話しを私に聴かせて

太い梁の通ったお屋敷で
あの人は生きていた

掠れた記憶の中にある
あなたの髪を撫でる薫風と
絹擦れの和音

カッカッカッ カッカッカッ

柱時計の
大きな振り子が揺れている
異次元を漂う刻限のマーチ

銀のかんざしと
鼈甲の櫛を飾った
あなたの微笑みが蘇る

薄暗くて埃っぽい
土蔵に差し込む陽の光

ねぇ、銀杏の樹
あの人が見ていた夢を
私に教えて