脳腫瘍との戦いもERグループができて5年をすぎ40症例を超えました。この8年60症例程を開頭手術をしてきましたが悪性腫瘍はグリオーマ、リンパ腫、組織球性肉腫、鼻腔内悪性腫瘍の頭蓋内浸潤等々、重篤な脳ヘルニアを引き起こす救急外科が必要な病状で来院します。

外科でとり大減圧をすることで、神経症状が良化しけいれん発作が消失する事も多々あります。問題はその先の戦いです。放射線療法が費用的に可能であれば効果のある腫瘍には良いでしょう?基本的には、化学療法になります。テモダールは今は2頭の子に投与しコントロールを継続してます。この子は5月に手術をした子でWHOグレード4のglioblastomaでした。手術後は発作もなく元気に暮らしてます。Temozolomideが良い反応をしていますね。根治は難しくとも飼い主さんと一緒に居られるときがより作れるようになってきました。
脳腫瘍であっても闘えるようになってきたのです。
ホームページの「腫瘍最前線レポート」にアメリカ在住の大橋先生のレポートにTemozolomideと新しい薬の挑戦のペーパーがでてます。
 

 
 
今週は3件の骨盤骨折のOPEがありました。救急病院として、主治医からの救急受け依頼を即引き受けておりますが、さすがに週に3件の骨盤骨折外科はあるものではありません。この猫ちゃんは3kgで両側の仙腸関節がとび恥骨骨折、坐骨骨折、右仙骨もかけてました。椎体固定同様に早期の固定手術を行わないと骨盤が内腔臓器を損傷する危険があります。しかし事故から半日程度で運ばれてきて全身状態がどうなるかわからない状態でのOPEです。より短時間で手術を終えたいものです。
この手術手技は20年前から報告されてますが、2017昨年の猫でのペーパーに丁寧な図説で載ってますのでご紹介します。経仙骨ピンを左腸骨翼ー仙骨ー右腸骨翼と通し、曲げたピンを固定するために文献は片側に2本のスクリューもしくはスクリューとワイヤーで固定してます。今回は左右に1本ずつにし左をピン背側、右をピンの腹側に2mmスクリューで固定してます。文献でも骨盤腔の狭小化の改善が顕著であることを指摘されてますが今回も上二本のラインがほぼ1:1になりました。
この文献では
1)両側固定であるが通常より短時間で手術を終わらせる 平均1時間半  今回も麻酔導入からで1時間40分でした。
2)一般的に普及している器具で早期に手術を実施できる  
椎体固定同様に広く救急病院があればいいですが現実普及は難しい。ではどうするか? 救急病院からは一般開業医に手技をご紹介していくだけです。
 
あとは全身状態の立て直しが生死であるわけですが、これは、この子も獣医も飼い主さんも頑張ると!


昨日は学会の後に練馬に戻り両側の尿管結石の手術を行ってから帰りました。夜間部が前夜に受け入れ右腎臓水腎化、左は腎盂でたところで引っかかってました。
腹膜透析ラインを入れて管理し、来院時のBUN>140 CRE>20 P11.9の状態からBUN>140ですがCRE18.6 へと一晩で減少傾向とでき、改善したなかで両側尿管結石の顕微鏡手術、3時間オペに安心してのぞめました。
右尿管結石は除去し7-0PDSで6糸縫合
左腎盂まで慎重に剥離し尿管をいじってると手応えがなく、腎盂内に戻ったかなと、術中超音波検査で腎盂に戻ったのを確認しました。腎切開するサイズでないので終了 。
今朝のレントゲンでも腎内に確認しました。
尿は順調に排泄されており、先ほどの検査でBUN107 CRE9.0順調な経過です。
いつも言ってますがここから恐いのはリークよりも
急激に下がる尿毒症、高浸透圧からの安定が順調にいくか下がったときには脳浮腫を起こすこともあり痙攣が懸念されます。急性の尿毒症による脳障害その後の改善時の脳浮腫これらをこえて退院が近づきます。
頑張って!