equal zero -270ページ目

表裏の果てに

equal zero-写真行為025


 表と裏が 千路に乱れて

 愚かしき世界に 飲み込まれていく


 身の破滅の途中で
 一時の安らぎを
 求め手繰り寄せても
 この手から離れてしまう


 抱き締めた愛は 此処には無く 流れ時の彼方に

 感じた筈の 温もりは無く 寒鴉に奪い去られた


 もどかしい幻は
 切ないほどに愛しく
 求めても叫んでみても
 枯れた涙と消えゆく


 このまま落ちてゆくのなら
 凍える切愛の痛みの矢に突き刺され
 微睡み刹那の優美の中で




 せめて塵になりたい