Katsumaです
以前、”失敗の化学”という本がとても面白かったので、同じくマシュー・サイドさんの著書”多様性の化学”を読んでみました。
これもまたとても面白い内容でとても勉強になりました。
大雑把に本書をまとめると、
・優秀な似た人を集めるよりも、多様な人を集めた方が良い結果がでる。
・優秀な人を集めた方が良いチーム・グループ・組織になると考えられているが、そうではない。必要なのは多様性だ。
・組織を構成するメンバーに多様性を持たせることで、組織全体での盲点が少なくなり、問題解決の可能性が高まると
一見よくある説明のように感じますが、
本書では
実際にこれを実現できなかった組織、実現できた組織のケースを挙げて、
多様性がいかに重要であるかを論じております。
<本書で紹介されているケース>
・事前に兆候を検知できたはずなのに9.11を防げなかったCIA
・第二次世界大戦でナチス・ドイツが用いたエニグマ暗号の解読部隊の人材確保戦術
・エベレストでのガイド登山における集団遭難
・ボストンのルート128の衰退とシリコンバレーの繁栄
本書には、
何かの問題を解決しようとするときに重要なのは正しく考えることであり、人と違った考えをすることではない。
異なる考えが必要なのは、まわりが間違っているときだけだ。そう思っている人が多い。
しかし、こうした考えが間違えなのだ。
一筋縄ではいかない問題を解決するときは、正しい考えばかりではなく「違う考え」も必要。
複雑な物事を考えるときは一歩下がって、違う視点が見るのが大切。
と綴られています。
そういえば、「全体は部分の総和に勝る」とアリストテレスも言っておりますね
また、特に以下は印象に残りましたね。
「人工統計学的多様性」(性別・人種・年齢など)
「認知的多様性」(ものの見方や考え方が異なること)
人工統計学的多様性が高いと、認知的多様性も高くなる。
背景が事なれば考え方も変わる。
視点が多様化すれば難題もクリアできる。
なるほど
私達はついつい同じ考え、
趣向を持った者同士で同感し合い、
意気投合して、物事を決めたりしがち。
でも、その場合、盲点が生まれる。
逆に、
違った考え、違った価値観、
違った視点を持った多種多様な人たちが集い、
議論し、お互いの意見をぶつけ合い、
そして、盲点を見出し、本当の意味で
本質的な解決に向けたアクションができるのだと思いました。
もちろん、
お互い、共感、同調し合うことは大切です。
でも、
ときには、違う視点、背景、考えをもった者同士が、
一つの目的に向かって、議論、協議していくことが物事の本質を捉え、最良の対策を行っていけるのですね。
ではでは
Katsuma