昨夜、ぐぅっっっすり眠っていた娘。(寝返りすらうたない)
すっきりと6時に起床。早すぎるよ!!
幼稚園から帰ってきたら眠すぎてぐずぐずだろうなぁ
ミーハーなので、村上春樹氏の新刊はついつい手にとってしまいます。
亡くなった父様に関する随筆?です。
村上春樹氏の作品の中では、「海辺のカフカ」「騎士団長殺し」が特に好きなのですが(好きという言葉が適切かは不明ですが、よく読み返しています)、どちらも登場人物の父親との関係性が独特な描かれ方をしています。
(私が読んで記憶している村上春樹作品で父親と良好な関係を結んでいる登場人物がいたかと言われると、ちょっと思い浮かばないのですが)
作者はさぞかし壮絶な親子関係、体験を持つのかと思っていたのですが、そうでは無いようです。
普通に親子としての思い出があり、一方で親子だからこその確執、その上での疎遠となり、また最終的に一応の和解、そして別れ。
そこには、様々な互いの想いなどがあるのですがけっして、カフカくんのように父親を刺したりするような激しい感情は見当たりませんでした。
あるいは、父親の方も猫殺しのジョニーウォーカーのような猟奇的な人物ではなく、俳句を愛好する人望の厚い国語教師。
ちょっと拍子抜けでした。
ただ、大正6年生まれの父親は常に「戦争」の影を背負う世代でした。
物心ついた時にはすでに戦争があり、徴兵され、戦地に赴き帰還。
その後敗戦により、すべての価値観を否定され、
戦後混乱を生き抜いてきた父親。
村上春樹作品の下敷きにある「戦争」の描写はこの「父親」からきているのかと、この本を読んで点と点が繋がった気がしました。
生々しいけれどどこか冷静に俯瞰したような描かれ方をする「戦争」のことは、父親というフィルターを通しているからなのでしょうか?
最後の白い子猫の話も、「ねじまきどり」などの作品で登場人物がやたらと縦穴に降りたがる(あるいは落とされる)展開のモチーフになっているのかとしら?
謎解きの解答のようで、新たに謎を深めるような一冊でした。
