![]() | 飛ぶ教室 (光文社古典新訳文庫) 583円 Amazon |
久しぶりに読み返しました。
結末は覚えていたけれど、細部はほとんど忘れていました

何故、読み返したかと言うと
好きな作家さんの言葉に影響されやすいので、読んだことのある本くらい自分の感想をちゃんと持っておきたいのです。
ドイツの寄宿舎付きのギムナジウムが舞台で、主人公たちは5年生。
ギムナジウムは9年制の中高等学校で大学進学予定の、子供が10歳から入学するそうです。
だから、5年生だと15歳くらいかな?
大学進学予定の子たちだから、結構エリートなんでしょうけど、実業学校の子たちとケンカしたり、授業中にイタズラしたり、実にこどもらしい事件を巻き起こします。
大人からしたら、しょうもない事ばかりなのですが、彼らにとっては深刻な事件ばかりなのです。
事実、弱虫のウーリーは授業中のイタズラに心底腹を立て、自分を変えたいとさらに馬鹿げた(大人からみれば)事件を引き起こしてしまいます。
これにより、弱虫ウーリーも変わっていくのですが、その辺が気になる方は是非読んでみてください。
この本を始めて読んだのは、多分20歳をこえてからだと思います。その頃、自分が大人だったかどうか甚だ怪しいのですが、少なくとも主人公達と同じ頃に読んでおけば良かったと後悔しています。
すごく大切な事なので、文中から引用します。
「子どもだって悲しくて不幸になることがあるのに、大人になると、さっぱり忘れてしまっている。中略
人生で大切なのは、何が悲しいかではなくて、どれくらい悲しいか、だけなのだ。
こどもの涙が大人の涙より小さいことなんて絶対ない。
ずっと重い事だってある。」
作者が言うように、かつてこどもだった時、悲しい事があった気はするけれど、些細な事はほとんど忘れてしまっています。
この文章をあの頃知っていたら、もう少し大切に記憶していたかもしれません。
子育てをしていく中で、娘が何かにつまづいた時、その記憶が残っていれば、もっと寄り添えたのにと思う事があるかもしれません。
過ぎてしまった事はどうしようもないので、せめてこの文章を忘れないようにしたいです。
いつか「そんなことで泣いているの?」と決して思わないように。
子どもにとっては、大事件なんだと肝に命じておきます。
ところで、この小説、可愛い少年がたくさん出てきますが、個人的にお気に入りはマティアスです。
いつもお腹ペコペコだけど、腕っぷしが強いマティアス。でも、弱虫のウーリーをいつも気にかける優しい男の子です。
食いしん坊だけど、自分のパンを買いに行った時、みんなにもクッキー買っていってあげよう!と思いつく、紳士的食いしん坊なのです。
娘が将来、彼氏を連れてくるならこんな子がいいなぁと妄想しています



アドヴェントカレンダー買いました!
娘がルールを理解出来るようになったら、もっとちゃんとした物を買って、一緒にやりたいなぁと思います!
これも十分可愛いです
