ブログ読者のみなさまこんにちは。

EPSDCの野上 以織です。


銀杏の葉も深まってまいりまして、食べ物が美味しく大変結構でございますな!
食欲の秋であり、また勉学の秋apple.きのこkaki☆☆紅葉
秋の夜長もゆっくり勉強するにはうってつけでございます...笑

というわけで、自分の復習兼ねて先日のEPSDC EBMセミナー
第6回目ブログUP致します手


あなたは、臨床の真実を学ぶことに深く興味がありますか?


もし、あなたが
臨床で疑問を感じたことがあるのなら、、、

EBMの世界を覗いてみてもよいかもしれませんsei



前回まででは、
システマティックレビューの評価の仕方が妥当かどうか?を、

考えなければいけないという事を勉強してきました。
(評価の評価の評価ってわけでしたね。)


システマティックレビューにも様々な物があり、

「良いエビデンスを得る」には、
「良いシステマティックレビュー」を見つけなければいけない。という事でしたね! 


さて、システマティックレビューは様々な研究論文を集めて作り上げられていますが、

今回はRCT (無作為比較試験のことですよ。ちなみに最初は根管治療と間違えていました😓)の評価について勉強していきました。

なんかどんどんルーツを辿っている感じですな。


今回のEBMのトピックはシーラントでした。

まずは、講師:宮下先生からこんな臨床でのシナリオ(疑問)が出されました。
やじるし 


「右上のEにう蝕が出来た子供が来院したとしましょう。そして他の歯にも
う蝕が散見されます。う蝕は治療するとして、皆さんは他の歯にシーラントを行なうことにしますか?」


参加者からは、色々な考え方、意見がでました。


その子供はどんな環境で育っているのだろうか。

ちゃんと通院する患者なのか。
どのくらいブラッシングしているのか。

乳歯と永久歯でシーラント効果に差があるのか。


そう,,,!

臨床では色々な条件がある 
色々な患者がいて 色々な歯がある 

患者の行動も違う


そんな状況で臨床の疑問はいつでも漠然と出てくるが、
まず、その治療そのものに効果があるかどうかを考えねばならないのだ。



このように、宮下EBM道場では、臨床を考えることから始まる。

そして、出された課題 「フィッシャーシーラントは有効か?」


シーラントについてのRCT論文を読みながら、実際に評価してみました。


介入群と比較群はそれぞれ何とされているか? 
プラセボコントロールはどうなっているか?
そもそもそのプラセボコントロールは妥当な内容なのか?

今回の内容を読むとそれは少し難しいようです。

今回の論文では何かのジェルを歯に押しつける事で、
患者にはシーラントをされたのか、されていないか分からないようにしていると
記載されていましたが・・・あせ 

患者さんも見ればわかりますよね?
^-^;

無作為化されているか? 
でもどう無作為化されたかは、
はっきりと書かれていないということは

厳密に言えば無作為化されていない汗 
ことにされてしまうかもしれないのです。


マスキングされているか
記載されていないため不明でしたが、

治療者はシーラントしたかどうかは、当然分かってしまうビックリ
評価者も多分分かってしまうビックリ

一重化、良くて二重化ってところですねにゃしずく汗



ベースラインは同等か?


パッと数だけみると同等にみえるけど・・・かお

いや、もうちょっと見なければいけないところがあるかお

元々のう蝕発症率にそれぞれ違いがありそうかお


有意な差があるか調べるべきですが、この論文ではしていないようですねNGダメダメ


全ての転機が記載されているか

ITT解析 (intention to treat analysis) 最初に研究するときと、

条件が変わっても元々の割り振りのまま分析しているかどうか

例えば実際の現場では、処方した薬を指示通りに飲む患者もいれば
飲まない患者も中にはいますよね。

そういったブレも含めて解析しているかどうかということです。

この試験ではやっていませんダメダメ×NG

サンプルサイズを超えているか

十分な数があって有意差の有無があるかを見るにはこのサンプル数が必要です。

この論文ではなんとか越えているようでした。


こうして見てみると、
ぱっと見、しっかりと研究しているように見えても、
色々と雑な部分があるなあという印象を受けました。

こういうところがバイアスになるのですね・・・ 奥が深い!

その点、コクランレビューは信頼できるmaterial and methodであるため、
安心して結果を読めるのはいいですなー。

ちなみに、
ある2013年のコクランレビューでは「シーラントは4年くらいではう蝕を減少させるものの、それ以上の期間についてはクオリティの低い研究しかない」

されていましたよ。

普段シーラントはやったことないけど、それならやってみようかな....きゃはっ


こんな感じで、無事終わりました。第6回!!

今回も盛りだくさんでした!


実際に自分たちで評価しながら読んでみると、

懐疑的に物を読むクセが身につきそうです。



次回は12月。


そして、来年のEBM宮下金曜道場日程決まっていましたー。

2016年 4月スタートです。


さて、ブログ読者の皆さんまる。

いつも特に考えていなかった臨床でのアレコレ

本当のところはどうなのよ!!

と......、

EBMerへの道を進むか否かっ...!  


あなたは、
臨床の真実を学ぶことに、深い関心がありますか?


From Iori Nogami.