こんにちは みなさんEPSDCのMasaです
いっこうに雨の降る気配がありませんね~  水不足が心配されます

さて! 前回のHANAのブログ記事に引き続き今回もLet's try EBM !!
EPSDCブログを読んでいただいている歯科関係のみなさま! 先週末も各種セミナーや
コースなどに参加され知識や技術をup-to-dateされた方も多いと思います

そこで見た事聞いたことに関して、
「え、それってどういう根拠?」「どんな研究よ?!」と疑問が湧いたら、
あなたもEBMer への第一歩、仲間入り 

「へー、なるほど。そうなんだー」「そんな研究もあるんだね」とひたすら感心した
場合は、まだまだEBMアマチュア 残念

研究といっても、小学生の夏休みの研究だって立派な研究と言えますからね
問題は研究の中身、内容を解読できる事が必要なのです
それを訓練するのがEPSDC-EBM勉強会なのです
それこそ夏休みの研究の質だって科学的な目でみると面白い

『俺たち英語文献読んでるぜー。』というわけではないのです
たくさんの情報を効率よく消化吸収する為に、何でもかんでも信じ込むではなく、
この夏から本当に有益となる情報、信頼性の高い情報をGetしようよ~
情報誌、ネット、各種セミナーもコースも山のようにある今のご時世、
あれこれあれこれ詰め込むのもいいけれどっ! 
時間も体力も資金も大切に

さて、前フリはここまでで
ちょっとマニアックな内容で進めます・・ 
Masa と一緒にLet's try 

文献を読む面白さに目覚めつつあるMasaですが、、
数ある文献の中からよい文献のチョイスには苦労しています
ついこの間も、次回のEBM勉強会の文献をチョイスしようと検索してみたものの、、
雑魚文献釣ってしまいました ムムム....難しい

そんなわけで、
今日は実際に文献をどうやって検索するのかをブログります。やってみましょう 
えー文献なんか読んだことない  英語が読めない  
大丈夫です  わたしMasaがついてますって(え、それが心配だって?)

まず、文献を探す際には以下のステップで進めていきます 手順ここまではOK?


1、臨床の疑問(シナリオ化)←難易度 高度:Narrative 臨床では実際の患者さんのStory を聴く技術が必要! 《これはまた異なるタイプの勉強で! 》


2、PICO(疑問の定式化)←難易度 低度:慣れれば簡単。2、3回作れば次は1人で出来るようになる!


3、キーワードから文献検索←難易度 低度:ネット環境持っていれば出来る。


4、適切な文献選択←難易度 中度:選ぶポイントさえ学べば楽勝


5、文献の吟味←難易度 中度~:EBM勉強会で教わるのでクリア! ただし、頭を使う勉強


6、臨床での応用 ←難易度 高度:ここはEBMではなくNBM といえるが、信頼性の高い
情報提供と、患者との信頼関係にて応用可能となる!

*6に関してはこれもまた様々な手法が取り入れられている昨今、これまたピンキリ。
深いのです、、、臨床は、、。目の前の患者さんが相手ゆえ、1と6が一番難しく
解りきれない。解った気でいるとしっぺ返し  臨床に驕りは禁物
解りきれないからこそ、臨床では応用を慎重に、
そして比較的分かりやすい2-5くらい確実にしよう!  

今は、患者さんとのコミュニケーションに苦戦しているMasaではありますがっ!
研究の真の意味を理解し、出来る限り信頼性の高い情報を患者さんに提供でき、
そして慎重に臨床へ応用できればと思っています

EBMはなかなか正しくは広まらない実践ですが、
自分の直感や経験側でに得た情報や知識そして技術を、患者さんに巧みな話術で
臨床に応用していく事は容易いかもしれないけれど、
ワタクシMasaは患者さんに対して、信頼性の高い根拠のある歯科治療を施したい
(道は険しいががんばるぞー!)

そんなワタクシMasaが
4の適切な文献検索 勉強中ですが、今回ブログでご紹介します

1.臨床の疑問(シナリオ化)ですが、次回のEBMセミナーの
「ホルモンバランスと歯肉炎」この疑問はどうして生じたかというと、
DH.MIHOが実際の患者さんから定期的なチェックアップの際に聞かれた質問なのでした。

Aさん「月経の前だと歯みがきしていても歯肉の炎症しやすいのでしょうか(しやすい気がする)」 ←《この部分は患者さんから得る情報(Story)ですが、隠された患者さんの
本当の気持ちなども汲み取ることも必要ですね。これはまたStage ll アドバンスコースで!》

DH.MIHO「そうですね、おっしゃるように月経の前後は体調の変化など感じますよね。
たぶんホルモンバランスの変化も関係しているかもしれないですけれど、
もし歯肉に違和感を感じられると言う事であれば、いつもより少しお手入れを
念入りに優しくなさるとか、その頃に合わせてチェックアップにいらっしゃるとか
様子をみていきましょうか?」
「歯肉の炎症と何か関連性があるのかどうか、今すぐお答え出来ないですが、
次回いらっしゃるまでにそのような研究があるのかどうか、先生とも相談して
次回お伝え致しますね」

と言うようなやり取りから、今回のEBM勉強会のテーマが決まったのです。
このようにDHは日々患者さんから質問されていて、その場でいったいDHは
どう答えているのでしょうか?  先生方! DH任せではなく全体で
正しい情報提供が出来るクリニックへとチェーンジ


そして、
2.PICO(疑問の定式化)ですが、PICOというものを立ててみます。
今回でしたら、
P(patient): 成人女性が
I(Intervention): ホルモンバランスが崩れると
C(comparison): ホルモンバランスが正常な場合に比べて
O(outcome): 歯肉炎は悪化するか?

というPICOを例えば立ててみます。
I とCにホルモンバランスというワードでなく、月経 menstrual   menstrual cycle と入れても
いいかもしれません。

そこから、3.キーワードから文献検索をしていきます。

今回は、文献検索サイトPub Med (http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed)

を使って文献を探してみました

キーワードですが、例えば今回はホルモンバランスhormoneを入れて検索してみました。

・・・えっ、英語の単語が分からない?
そこのあなた! 大丈夫ですよ! このMasaにお任せ下さい!(エヘン 自信タップリ )
英和辞典を使えばイイのです これもインターネットのサイトで検索出来ます。
Masaがよく使うサイトはweblio(http://ejje.weblio.jp)です。
英和・和英、さらに文章の翻訳までしてくれる非常にスグレモノなのです

 今回のお題は、「ホルモンバランスと歯肉炎」なので、hormone ホルモン、gingivitis 歯肉炎 という単語を使いましたよー
両方の用語で検索が引っかかるようにANDでつなぎ、hormone AND gigivitis とします。

そして、女性ホルモンに関連する用語を考えればhormone以外にも色々考えられます。

さらに、
hormone ホルモン、pregnancy 妊娠、estrogen エストロゲン、postmenopause 閉経後、
menstruation 月経、という用語のどれかが引っかかるように、OR(もしくは)を用いて
(hormone OR pregnancy OR estorogen OR postmenopause OR menstruation)という検索グループを作りました

そして、gingivitis歯肉炎もしくはperiodontitis 歯周炎、gum 歯肉が引っかかるように、
(gingivitis OR periodontitis OR gum)という検索グループを作ります。

そして、これらの両方の用語が検索できるように、(hormone OR pregnancy OR estorogen OR postmenopause OR menstrua*) AND(gingivitis OR periodont* OR gum ) という・・・
非常に長い検索用語が出来上がりました (*を用いると、同じ綴りの単語を拾えます。
例えば、periodont*であればperiodontitis,periodontalといった具合です。)

ちょちょっと、、だんだん難しくなっていきますが

この出来上がった用語を検索欄に放り込むわけですが、その前に
左上の欄にArticle type という欄があるので、エビデンスレベルの高いMeta-Analysis, Rondomized Controlled Trial , Systematic Review を選択します。

そして  いざ、検索   ポチっとな 

わお  3351件!!!!!!!          これではとても探せません・・・・ 
という訳で、ここから数を減らす作業に入りますね

女性に関するテーマなので、頭にfemale女性つまり、female ANDをつけましょう。

すると・・・おお  2037件に減りましたーー 

とりあえず、今回のテーマとあまり関係ない preterm 早産の、osteoporosis 骨粗鬆症
といった用語を除外するためにNOTを用いて、NOT preterm NOT osteoporosis という
検索用語を追加します。

すなわち、、female AND (hormone OR pregnancy OR estorogen OR postmenopause OR menstrua*) AND(gingivitis OR periodont* OR gum ) NOT preterm NOT osteoporosis です。

そして、これで探すと、、、ムムム・・・  1680件 まだ全然多い・・・

もっと、減らすいい方法はないものでしょうか? と、ここでワタクシMasaは
スカンジナビアンペリオの大ファンの1人

個人の趣向ながら(え、これも選択バイアスか?!)
ここはぜひ大好きな Journal Of Clinical Periodontology を

という訳で、頭に (J Clin Periodontol.)ANDを加え、 (J Clin Periodontol.) AND female AND
 (hormone OR pregnancy OR estorogen OR postmenopause OR menstrua*) AND(gingivitis OR
 periodont* OR gum ) NOT preterm NOT osteoporosis で検索です。

すると、、、やりました  ついに84件に絞れました

ここから手作業で良さそうな文献を探していきます。ページをめくっていくと、、、
おおっ! ありました!




Hormonal influences on gingival tissue: relationship to periodontal disease.

Sooriyamoorthy M, Gower DB.
「歯肉組織におよぼすホルモンの影響-歯周疾患との関連性について-」



こちらが文献です
まさしく、今回のテーマにピッタリです

というわけで、次回のEBMセミナーはこの文献に決定したわけです。
(多少、Masaの趣向も入っておりますが )

最初は慣れない検索ですが、皆さんも色々いじってみてぜひトライして下さい

こうやって読む文献を選んでいるのです~

選び立てホヤホヤ  次回のEBM勉強会は、「歯科衛生士臨床の為のEBM」

もう間もなく文献をお届けできます~   お待たせ致しました~

6月29日土曜日 18:00-  南青山で開催です!
http://www.facebook.com/events/533476450021869/