ばしょうとそら
先日、美味しい洋菓子店を見つけた。
一つ一つのお菓子が大切に作られていて、手作りの温もりと熟練された技術の両方を持ち合わせた味わいに、
これだ!と感じた。
洋菓子でも音楽でも本でもそれらを生み出す人間でも、自分との共通を感じるものに出会ったとき、
何ともいえない嬉しさや安心感が体全体に湧き起こる。
「脳とクオリア」に出会った時のあの感動と胸の躍動は忘れられない。
あの時から何年経っただろう。
大学を辞めて、途方に暮れながらもお気に入りの大型書店の心理学コーナー
(今は自然哲学の棚に置いてある)でタイトルに惹かれ偶然手に取ったその本は、
一気に私の意識を引き込んだ。
面白かった。スラスラと字を追い、爽快な気持ちになった。
当分して、NHKの番組に出演しているのを見て「この人だ!」とテレビに丸かじりになった。
髪がモサモサして、顔もプチャっとして可愛いじゃないか!
子供に対する態度も自然で、人柄にも好意が持てた。
今はもうテレビや雑誌などでも引っ張りだこの時代の人となったが、
この人の存在は、自己実現への努力と、生きる熱意を教えてくれる。
月落ちる 芦田川にぞ 恋偲び
去年の末辺りだっただろうか。
夜の静寂した芦田川に月がくっきりと映っていた。
てらてらと妖しく光る川面に、まるで愛しいものに抱きつくかのように
月が落ちている。
川にかかる橋に歩を進めながら、恋に積極的な面のある自分を思い出した。
はっと自然と句が頭に浮かんだ。
5・7・5の限られた枠の中であるが、行き場をなくした感情が
全て綺麗に収まり、体外に排出されたかのようであった。
スッキリ爽快!
同時に、今の自分の境地に気付かされる。
まだだ。もっと、もっと、上っていこう。
スーパーでの買い物時に自分と同年代の恋人をよくみかける。
2人を包む空気はいつも絡み合っていて、他との異質さを感じる。面白い。
自分にもいつか大切な大切な愛しい人が現れるかな。
今の自分は一体どんな恋をするのだろう。
恋は私の現実を彩ったものに変えていくんだろうな。
その時、私のピアノはどんな音色を奏でるだろう。