憧れのヨーロッパ陶磁 京都国立博物館にて
3月9日(金)のこと
京都国立博物館で開催された「憧れのヨーロッパ陶磁 -マイセン・セーブル・ミントンとの出会い-」に行って来ました。
関連イベントとして、金曜日にはチェンバロ演奏があるというので、最終の金曜日におでかけです。
この立派な建物の中に入ると思うだけで、気分が盛り上がります
写真撮影できないので、しっかりと目と頭で見てきました。
でも図録を買って帰ってよかったこれを見ないと思い出せなかったりします。
開場9:30 チェンバロコンサート10:00
ヴィクトリア時代の晩餐テーブルが再現された中央展示室でコンサートがあるので、まずはその部屋に直行です。
マイセンの食器を使って、晩餐のテーブルコーディネートされた大きな食卓が2つ。
ひとつはフランス様式で。もう片方はドイツ様式で。
展示室そのものがロココ様式なので、部屋の壁にはソファや椅子が置かれ、そこはもうヴィクトリア時代の大広間。
正面の壁に大きな鏡があり、そこに映し出される部屋やテーブルや食器の美しさ華やかさに、当時の貴族も酔いしれたようです。
私も酔いしれました。
その当時を再現した部屋で、その当時その晩餐で聴いたであろうチェンバロの音色、楽曲を演奏してくださいました。
素晴らしいの一言、感激でした。
またそのチェンバロ自体が、日本に初めて贈られてきたチェンバロそのものであると、隣にいらっしゃった方が教えてくださいましたが、それはまだ確認しておりません。そうだとしたら、ものすごく貴重な音を聴いたことにまります。
チェンバロは、博物館蔵のものでした。
20分間でしたが、ヴィクトリア時代の貴族になった気分を味わいました
素敵でした。
それからまた入り口に向かい、展示を最初からじっくり見ました。
最終日の3日前だったので大勢の人。
18世紀になるまで、ヨーロッパでは磁器の生産ができませんでした。
磁器の先進地域は東洋、中国磁器はヨーロッパ人の憧れとなり、中国磁器を手に入れようと盛んに貿易が行なわれます。
輸入した中国磁器の模倣から、ヨーロッパでも磁器が生産されるようになったのです。
ウィローパターンは、景徳鎮の「青花楼閣山水図」の絵付けを真似たもの。
そして中国磁器の貿易が衰退すると、ヨーロッパは今度は日本の伊万里を盛んに輸入しました。
常に新しいものを求めるのが、人間なのですね。
日本の方が技術が勝っていたので、当然のことながら日本人は西洋陶器には興味がありません。
しかしそんな中、長崎出島に住むオランダ人が生活用品として陶器を自国から持ち込んでいました。その陶器はワインの容器であったり、物を運ぶ容器として使われていたので、中身を飲んでしまえば容器は必要がありません。捨てました。
それを珍しい!と拾って持ち帰ったのが日本人。
いつの時代も、どこの世界も、珍しいものが好きなのですね。
その珍しい見たこともない陶器の壷を家に飾り、飾ると誰かに自慢したくなるのですね。人に見せびらかしていると、他の人も珍しい陶器を探すようになりました。
その噂を聞きつけたのが、これまた珍しい物を宝とする茶人たちです。どんな物でも茶道具にしていまう技を持っています。
容器として使われていた陶器に蓋を作り、水指にしました。
それを見た日本の陶工が「あれに似た物を作れば売れる」と、模倣品を作りました。
ヨーロッパ陶器の模倣品が、当時の最先端のおしゃれだったのです。
ヨーロッパでは日本の磁器を、日本ではヨーロッパ陶器を、自国にないものを求める、いつの時代も変わらないなと笑ってしまいました。
またせっせと東洋の磁器を真似したのがイギリス。
日本とイギリス、どちらも小さな島国です。
海に隔てられたお国柄、どちらの国も海の向こうに憧れがあるようです。
日本とイギリスの共通点や、いろんな関係を調べるのも、おもしろそうです。
東洋と西洋の陶磁器の交流が時代を追って展示解説されて、足を進める毎に感動と納得と、とても勉強になりました。
マイセンやセーブルの素晴らしい歴史的芸術品を、間近に見られて感激でした。
展示の最後には、アフタヌーンティーの優雅なテーブルコーディネートがあり、夢の世界へ
余韻に浸って、博物館のティールームでお茶。博物館を眺めながら。
その後、向かいにある三十三間堂を拝観し四条河原町に出ました。
高島屋の「ばらの木」で、スチュアート 麻子さん監修のアフタヌーンティーがいただけると聞いたので、行ってきました。
ばらの木のアフタヌーンティーの様子は、また後日
家に帰り、家にあるウィローパターンのお皿を眺めてみましたよ。
骨董屋で買ったもので、どんなものなのかはわからないけど、きっとこれはヨーロッパの絵柄を真似して、日本で作ったものだと思います。
それにプリントですよね。ズレテルし。
銅版転写?まさかね!
でも、絵柄は同じものが描かれていて、見れば見るほど面白い。興味が湧いてきます。
茶道もそうですが、紅茶にも陶磁器は付き物です。
その歴史を知るのが、おもしろい
ヴィクトリア時代のアフタヌーンティーにおよばれするには、知識を深めないとね