意味不明なタイトルだと思いますが・・・

PCの調子が悪く、そろそろ買い替えを検討すべく、データの整理をしていた時に出てきた。

「ライアンの望むものは・・・・・」

忘れていたぜ、こんなもの。

10年ほど前(当時は普通?のサラリーマン)に足しげく通っていた居酒屋で耳にしたヨタ話を文章にしてみたもの。
A4で4枚程度。
原作?のアキベーは居酒屋の女主人。
話自体が、そんな程度のものなので、下ネタといえばその通り。
良い子の皆さんは読まないで。 
そうでない皆さまは。。。笑って許してね。(^^♪ 

(文字数制限の関係で前後編に分けて載せます。)

それでは、始まり~


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ライアンの望むものは・・・・・

                                       原作? アキべー
                                 脚本    EPOC


1.ライアンのこと

 「逃げ切ったぁ~」

 自分でも、こんな大きな声がでるのかと思うほどの大声で叫ぶとライアンは両手両足を大の字に投げ出し、そろそろ日が沈みかけ涼しくなってきた砂漠に倒れた。

 ライアンは疲れきっていた。

 もう3日もの間昼夜を問わずこの何も無い砂漠の中を唯一のパートナーの駱駝とともに、恐らく必死になってライアンを探し回っている追っ手から逃れるために逃げていたのだ。

 それでも、ついに国境を示すオアシス(とは言っても今は水も木も枯れ果ててはいるが)にたどりついた今となっては、開放感に包まれ、疲れすら心地よい感じだ。


 砂漠に一人ぼっちとは言え、不安は無い。

 駱駝には優に10日間程度は不自由しないだけの水や食料が積まれており、磁石や毛布やテントまで、砂漠を歩くのに必要なものはみんな揃っている。

 計算ではあと3日程度で町に出るはずだ。

 まったくうまくいったものだ。だらしなく口元がゆるむ。


 追っ手の悔しそうな顔が目に浮かぶ。

 やつらには今までさんざんとひどい目に合わされてきた。

 虫の居所が悪ければ、何も悪いことをしていなくても皮の鞭で打たれ、木の棒で殴られた。

 たとえ失神しても水を掛けられ、(しかも飲み水は貴重なので、汚れたどぶの水だ)さらにいたぶられる。


 それでも、やつらもできれば奴隷を殺したくはないとは思っているようだ。

 ここ数年の間に世間の見る目も変わってきて、代わりの奴隷を捕まえるのもおおっぴらにはできない。


 しかし、拷問はまるでゲームのようにほとんど毎日おこなわれる。

 やつらは「奴隷は自分たちの満足のために存在している。」と思っているのだ。


 脱走しようなんて奴はほとんどいなかった。失敗は間違いなく死を持って報くわれる。

 おとなしくしていればよほどのことが無い限り死ぬ事はないのだ。

 食事も決して十分とは言えないが飢死しない程度には支給される。


 敢えて死に急ぐことはないということだろう。 

 だから、やつらは安心しきっていた。


 時間をかけてすこしずつ牢の鉄格子を傷つけ、3日前の夜についに脱走を決行したのだ。

 夜の闇に紛れ、倉庫から必要物資を盗み取り、駱駝1匹をつれて逃げ出した。

 計算では、奴らが脱走に気が付くのは朝のはずだった。そして約6日で隣国にたどり着く予定は、今のところ寸部の違いも無く実行された。

 いくらか拍子抜けしたくらいだ。


 こんなことだったら、もっと早く実行に移すべきだったとも思うが、今はただ開放感にひたりきっている。

 もう安心だ と思うと今まで感じなかった睡魔がおそってくる。

 後のことは明日にでも考えればいい・・と思う間もなくライアンは眠りについた。 


2 リサーラのこと


 どれくらい歩いただろうか。

 まるまる3日の間、この砂漠の中を1人さまよい続けている。

 軽い散歩のつもりで従者とともに砂漠に出たものの、砂の嵐にあい逸れてしまった。


 砂漠とはいっても町からそれほど離れているわけではないはずだ。

 自分の庭のようなもの思っていたのがいけなかったのかもしれない。

 食物も命の糧となる水も従者に持たせていた。


 女が一人でできることには限界がある。

 それにリサーラは大事に育てられてきたお嬢さん育ちで、体が丈夫なわけでは無い。


 空腹はもちろんだが、昼間の熱さと夜の寒さ、そして渇きが体を覆う。

 しかし立ち止まってしまえばもう2度歩き出すことはできないと思いがんばってきた。

 ただ、今では限界が近いこともわかっていた。


 ・・・・しかし、神はリサーラを見捨てなかったようだ。

 遠くにオアシスらしきものが見えた。


 リサーラは遠のきかけてゆく意識の中で最後の力をふりしぼりついにオアシスにたどりつくとそこに倒れた。


続く