これらの2冊を読んで一言、「東日本大地震」の前に読みたかった。とくに「震災列島」は、まるで今回の大震災の予言書でした。震源地は東海・東南海地震ですが、地震によってもたらされた被害がまるで同じ。地震、津波、原発。小説で描かれる情景も、TVで見ているので、異様なリアルさがありました。不謹慎なことを書いているかもしれませんが、今回の一件で、いかに自分が震災列島の上に住んでいることを忘れ、のうのうと生きていたかを痛感しました。
今回の震災で関係者はみんな口を揃えて「想定外」と言いますが、この小説を読むと、ちゃんと想定内の震災として考えてた人もいたんだっていうのが実感です。実際に起きた後に「ああだこうだ」と叫ぶ批評家はいなくてよく、小説に書いて警鐘を鳴らしている実践家=アクションする人がいかにすごいかが分かります。
小説を読んでも、震災が起きたときの対策は分かりませんでしたが、少なくとも大震災に対する危機感は芽生えました。起きてしまったことをやり直すことはできませんが、これで終わりではないし、震災列島たる日本の上に住んでいる以上、今後もずっとつきあわなければならない事実を考える良い機会になりました。三陸沖地震、東海地震、東南海地震、南海地震、火山。わずか1%にも満たない島国で世界の大きな震災の20%を占める日本。僕たちは間違いなく凄まじい場所に住んでいるのです。
どちらの小説も、自然の怖さを神に喩えています。イザナギ・イザナミ伝説は火山になぞらえると、本当につじつまがあって、大昔の人が自然に対していかに畏怖をもっていたのかが分かります。僕は無信教ですが、自然=神という考え方にはとても共感を覚えました。日本には唯一神がいません。いるのは八百万の神々。それはまるで、畏れ敬う存在としての神々が僕たちのまわりにいつもいるということです。
決して宗教として考える必要はないですが、神々に壊され、そして神々に守られている、このすばらしい日本を大切にし、もっともっと良い国にしていきたい。僕たちが、現代の「古事記」「日本書紀」をつくり、未来の子供たちに伝えなければいけませんね(僕はまだ子供はいないけど)。




