THE BEATLESのデビューアルバム『PLEASE PLEASE ME』 モノラル盤カタログ・ナンバーEAS-70130です。

60年代当時のモノラルの音を忠実に再現しているといううたい文句でした。

僕は小さい頃“モノラル録音が進化したものがステレオ録音だ”と解釈していました。
そしてステレオ音源の立体感をひとつのパンに集中させたもの…
つまり真ん中に音を集中させたものがモノラルだと解釈していたので、
ステレオ盤を持っていればモノラル盤は必要ないだろう…と思っていたのです。
ところがこれが“非常に大きな誤解”であり、
George MartinをはじめTHE BEATLESのメンバーは、ほぼ60年代を通して
“モノラル音源”を重視しており(アルバム『ABBEY ROAD』『LET IT BE』期からはステレオに移行)、
ミックス段階での作業工程はモノラルの方に時間をかけていたという事実を知ったときは
非常に困惑したものでした。
といった誤解もあり、当時レコード店にこのレコードが並んでいても、
えらく地味なオビだな…くらいの感覚で食指が伸びませんでした。
しかし、かなり後になって入手してみて、その音を聴いてみて愕然としました。
“1963年当時の骨太のモノラルの音がそこにはあった”のです。
ドラムの音が若干おとなしめ-まろやかかな?という印象を受けましたが、
ハイハットの音はまさに60年代!

レコードは赤いビニール盤で僕はこれにも違和感がありますが
(僕は黒いレコードに慣れているんだな~)、何しろ80年代発売だから手元にあるレコードは非常にキズが少ない。

レーベルのフォントはサンセリフ系(Futura)で非常にモダンな印象を受けます。
ところでこのレコードどういう製造過程を経て製造されたのか実はよく把握してません。
レコードのプレスの感じをみると明らかに日本で製造されていると思われますが、
マスターテープをEMIから借りて日本のみで製造したのでしょうか?
現在時々再発されるレコードはデジタル・リミックス盤をもとにしているので、
このレコードの音とは明らかに違うんですよね。
う~む、新品でこのシリーズを全部そろえて置けばよかったと後悔するのでした。