「天龍院亜希子」という派手な名前に惹かれて読みました。
サラッと読めました。
ブラック企業で働く町田譲の日常を淡々と描いた小説です。
譲の恋人・早夕里の父が語る言葉が印象的でした。
曰く、
「君が彼を信じようが、信じまいが、正直彼には何も伝わらない。手紙を書くとか、直接会いにでも行けば別だけど。マサオカが君の思いに気づくことは一生ないだろう。だけど、君はマサオカを信じることで、自分が知り得ない誰かからの善意を信じることができる。自分が本当につらくて、どうしようもない時に、何の証拠がなくっても、もしかしたらこの世の誰かがどこかでひそかに自分を応援してくれてるかもしれないって呆れた希望を持つことができる」
(マサオカ:薬物中毒で逮捕された元プロ野球選手。小さい頃の譲のあこがれの人。譲はマサオカに再起して野球界に貢献して欲しいと思っている。)
誰かを、何かを信じると言うことは、逆に何かを信じることができるってことなんだなと気づきを得ました。
そういう意味で正岡の存在感はあったのだけれど、天龍院亜希子のブログが挿入される意味がよく分からなかったです。
ふみか(譲の同僚)の言う“情緒”が僕には欠けてるんだろうなと感じた一冊でした![]()
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本の紹介[Amazonより]
著者:安壇 美緒
第30回小説すばる新人賞受賞作!
全1331編の応募作品のなかからトップに選ばれ、新人離れした筆力で注目を集める長編小説。
小説すばる新人賞選考委員・宮部みゆきさんからのコメント
「日常で起きるささいな出来事を描いているのに、すごく面白い!
読み終えて、思わず登場人物の幸せを願うような物語です」
人材派遣会社に勤める田町譲・27歳。
ブラックな職場での長時間勤務に疲れ果て、プライベートでは彼女との仲がうまくいかない。なんとなく惰性で流れていく日常。
そんな平凡な男の日々を勇気づけるのは、幼い頃に憧れていた野球選手と、長らく会っていない元同級生の「日記」だった――。
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