先日近所を歩いていたら、クロネコの人が乗った自転車がパンクする場面に遭遇しました。
「ぷしゅ~」
「うわ!」
うしろの台車にはまだまだ荷物があった様子です。
あの後彼はどうしたのかな。。。
以前読んだ小川洋子さんの「博士の愛した数式」が良かったのでこちらを読んでみました。
舞台となっているとある島では、徐々に“消滅”が進んでいく。
”消滅”を誰が発生させているのか、なぜ起こるのかは特に説明はありませんでしたが、おそらく権力者が行っているのでしょう。
香水、写真、地図、カレンダー、小説etc。![]()
消滅した品物は各々が処分しなければならない。
例えば香水であれば川に流す。
小説であれば燃やす。(本を燃やす場面は圧巻でした。)![]()
そしてその品物の記憶も失われていく。
一方で記憶を失わない特殊な人もいて、そういう人々は秘密警察に”記憶狩り”と称して連行され、殺される。
理不尽な世界観です。
小川洋子さんの作品は静かに物語が進んでいくのが特徴。
この”消滅”も静かに進みます。でも確実にじわりじわりと浸透してくる様が怖かったです。
あらゆるものが”消滅”していく中で主人公の小説家の私はなんとか小説を書きあげます。
その作中作でも”消滅”が。。。
理不尽に“消滅”を強いられるのは嫌だと思いました。
この本の”消滅”とは違うけれど、最近はなんだか言葉狩りのようなことが多い気がするので、そこが今の世の中とのオーバーラップを感じました。
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本の紹介[Amazonより]
著者:小川 洋子
2019年度「全米図書賞」翻訳部門、2020年度「英国ブッカー国際賞」最終候補作。『博士の愛した数式』など数々の話題作で知られる著者が描く、澄明に描く人間の哀しみ。記憶狩りによって消滅が静かにすすむ島の生活。人は何をなくしたのかさえ思い出せない。何かをなくした小説ばかり書いているわたしも、言葉を、自分自身を確実に失っていった。有機物であることの人間の哀しみを澄んだまなざしで見つめ、空無への願望を、美しく危険な情況の中で描く傑作長編。
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