乾くるみ、米澤穂信、芦沢央、大山誠一郎、有栖川有栖、辻村深月の6名による短編集です。

 

 

どの作家さんも面白かったです。

中でも初読み作家さんの有栖川有栖さんの「推理研vsパズル研」がお気に入り。

 

推理研の望月と織田が居酒屋で飲んでいると偶然隣のテーブルに居合わせたパズル研のメンバーに問題を出されます。

その問題を望月が推理研メンバーに説明した際の引用が以下です。

 

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「まず設定から。ある村に百人ばかりの住人がいた。青い目をした者が十人。残りの者たちは緑色の目をしている。その村には鏡がなく、澄んだ水や表面がよく磨かれた金属製の板など鏡の代わりになるものもなかったので、村人たちは自分の顔を見ることができない。しかも、お互いに相手の目の色について話すことが絶対のタブーになっていた。」

 

「村にはこんな掟があった。『自分が青い目をしていると分かった者は、それを知ったその日のうちに自ら命を絶て』。自分の目の色を知る手段がないから、みんな平穏に暮らしてたんやが、外の世界からの来訪者が言った。『この村には青い目の人間がいる』」

 

「来訪者の言葉を聞いた後、村ではどんなことが起きたか?---以上」

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この問題自体も頭をひねっても僕では回答が出なかったんですが、推理研部長の江神はするりと解いてしまう。

そしてこの後が良い。

パズル研に解答を伝える前に、この問題の時代背景や掟の目的、正体不明の来訪者はなぜあんなことを告げたのか?と背景を肉付けしていく過程が、思考がブワァーっとあふれ出してくるようで面白かったです。

 

初めて複数作家さんによる短編集を買いました。

最近はまっている芦沢央さんの作品を読みたくて手にした本でしたが、こういう短編集って初読み作家さんとの出会いもあっていいですね。

 

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本の紹介[Amazonより]

 

著者:

辻村 深月  (著), 乾 くるみ (著), 米澤 穂信 (著), 芦沢 央 (著), 大山 誠一郎 (著), 有栖川 有栖 (著)

 

人気作家6人の新作ミステリーがいきなり文庫で登場!
現在のミステリー界をリードする6人の作家による豪華すぎるアンソロジー。

最愛のひととの別れ、過去がふいに招く破綻、思いがけず露呈するほころび、
知的遊戯の結実、そして、コロナ禍でくるった当たり前の日常……。

読み解き方も楽しみ方も六人六様の、文庫オリジナルの超絶おすすめ本です。

【収録作品】
乾くるみ『夫の余命』
余命わずかと知りながら、愛を誓ったふたりは……

米澤穂信『崖の下』
スキー場で遭難した4人。1人が他殺体で見つかり……

芦沢央『投了図』
地元でタイトル戦が開かれる。将棋ファンの夫は……

大山誠一郎『孤独な容疑者』
23年前、私はある男を殺したのだ……

有栖川有栖『推理研VSパズル研』
江神二郎シリーズ待望の新作!

辻村深月『2020年のロマンス詐欺』
大学生になったけれど、コロナ禍で……

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