有名在日ブロガーのかっちんさんの記事より、今回は朝鮮学校の授業参観に日本人の方が見学をされ、ブログにまとめられていらっしゃったので、それを参考にお話していきたいと思います。

 

ウリハッキョへようこそ~朝鮮学校の授業参観に行ってきました!

 

Hatena Blog mimikuroの日記 より

 

 

朝鮮学校の授業参観は、文字通り当校に通う在日コリアンの生徒たちの親御さん方や、公開授業なども合わせて、私が知る限り、15年以上前から日本人の方も来られていました。

 

たとえば、近くの帝京高校の学生たちも、東京朝鮮の学生たちと交流を重ねていたりと、別に新しいわけでもなく、昔からの「積み重ね」が着実にありました。

 

東京朝鮮中高級学校 正門 (Hatena Blog『mimikuroの日記』より)

http://mimikuro.hatenablog.com/entry/2018/05/14/192351

 

 

5月13日(日)、東京・十条にある東京朝鮮中高級学校で授業参観が行われた。なんと、朝鮮学校と関係のない日本人でも参加OKとのこと。というわけで、さっそく十条へ。

 

ここに在籍しているのは、日本でいえば中学1年生から高校3年生までの生徒たちだ。1クラスは20人~40人程度で、中学は1学年2クラス、高校は1学年5クラス。私立の中高一貫校と同じか、やや少ないくらいと考えればいいだろう。

 

在日コリアンの社会が全盛期だった1970年代は、一学年で13クラス(班)以上、合わせて1000人以上の生徒が在籍していました。だから卒業式の時になって、はじめて同じ学年だったと知ったり、一度も会わないこともザラでした。

 

そう考えると、本当に少なくなりましたね。

 

悲しいです。

 

 

●学内では朝鮮語、女子はチマチョゴリ姿

 

女子は学校に到着すると、黒いチマチョゴリに着替える。女性の先生たちもチマチョゴリ姿だ。

 

学内で使用する言葉は基本的に朝鮮語だ。授業や部活はもちろん、休み時間のおしゃべりも。

 

 

朝鮮学校の制服(友人のイラストから参考)

 

ちなみに、小学生は日本の私立小学校のような制服で、中学生に上がるとブレザー(2008年に男女共に改定)になり、女子は学校内だけチマチョゴリになります。

 

というのも、90年代~00年代にかけて、政治的に日本と朝鮮半島に「緊張」が起きたとき、核開発とテポドンの打ち上げ、さらに拉致問題の発覚を機に、それに一方的に激昂した一部の日本人が、朝鮮学校に通う女子生徒に「ターゲット」を絞り、当時は登校の際もチマチョゴリを着用していたので、満員電車の中で女子生徒のチマ(スカートの部分)を切り裂くという、常軌を逸した行動を取りました。

 

 

チマ・チョゴリ事件(bubkaさんのブログ『ここが変だよ在特会(仮)』より)

 

https://ameblo.jp/korea-one/entry-10651832317.html

 

他にも小学生の児童や女子生徒への嫌がらせは山のようにありました。

 

 

廊下を歩いてすぐに目に飛び込んできたのは、手づくりの貼紙、ポップだった。4月27日の南北首脳会談成功を報じた新聞記事、そして文大統領と金委員長の写真だった。やはり、南北が和解へと歩みだしたことは、生徒たちもずっと待ち望んでいたことだったとわかる。

 

運動会や学校行事、運動部(サッカー部、ラグビー部、バスケット部)が日本の学校と試合したときの写真もあった。東京朝鮮高校といえばサッカーの強豪校だが、ほかのスポーツも強い。部活動レベルでは日本の学校との交流が行われているのだ。

 

南北首脳会談については、多くの在日コリアンが待ち望んだことであり、会談の際に涙をする人も多くいらっしゃいました。

 

また部活に関しても、何十年も日本の学校と交流しており、草の根運動的に、なおかつ着実に続けられて、これ自体とても凄いことであり、時の政治状況や社会状況に翻弄されても、在日コリアンの社会が日本社会の一員として、その役目をしっかりと貫徹されていることについて、私は素直に尊敬の念を抱きます。

 

 

5月3日開催の憲法集会で合唱部の女子たちが歌っている写真もあった。

 

寄せ書きや写真のキャプションはハングル。廊下の中ほどに休憩スペースがあり、ここに「ウリハッキョへようこそ」と日本語で書かれた貼紙があった(ウリハッキョは「私たちの学校」という意味)。カラーの模造紙に引き伸ばした画像を貼り付け、手描きのイラストを添える。これほどたくさんのポップを見たのは初めてだ。

 

「休憩スペース」。

 

ありますねぇ。長椅子とロッカーと窓があって、生活指導の先生の話を聞くときに集まったり、学校内部や外での活動を各クラスの外壁や、教室の中にも貼ってあって、各班(クラス)での出来事や、部活動での成果、課外活動しかり、手書きのイラストしかり、実にバラエティに富んだ内容で、非常にポップに仕上がっています。

 

『뿌리』(根っこ・PURI)東京中高連合同窓会 会報 2015.春 第3号より

 

一応これが写真資料なのですが、ちょうど左の空間に先ほど述べた「休憩スペース」があって、mimikuroさんのブログでも書いていたように、教室の外壁にポップな学校行事や課外活動の張り紙があります。

 

 

授業が始まる前の教室内はまだ騒がしい。席につかないで友達のところでしゃべっている子、着席したもののあたふた用意をしている子…。廊下にいる私と目が会うと、緊張した面持ちながら会釈する子も。

 

私も友人と当時の話をしていて、お互い昔のことが懐かしいと、常々思っています。

 

 

・朝鮮語がわからなくても大丈夫

 

授業が始まった。朝鮮語がわからなくて大丈夫かなあ、と思いつつ、高校生の教室に入ってみる。

 

Good morning !

 

先生が入ってきて挨拶。ピンクのチマチョゴリ姿のまだ若い女性の先生だ。やった! 英語だ。これならわかる!

 

当然だが、解説は朝鮮語だ。先生と女子生徒のチョゴリ姿と朝鮮語が、ここが朝鮮学校であることを思わせる。

 

先生はPCを使い、短い動画を見せた。50年前のミュージカル、メリー・ポピンズのワンシーンだ。主演のジュリー・アンドリュースが、やたら長文のおまじないを早口で唱えながら踊るシーンで、なぜかメロディだけは知っていた。

 

Super cali fragilistic exppiali docious ♬

 

これをグループに分かれて発音を練習。私もやってみたが、なかなか舌が回らない。けっこう難しかった。

 

私の在日コリアンの友人も英語は苦手でしたねぇ(笑)

 

点数で言えば、70点代~80点前半をウロウロしていて、まあ出来る人は本当にできるもので、私がお世話になっている英語ブロガーのMichikoさんは、どこの学校にも通わずに、たった一人の独学で、TOEICで高得点を叩き出したり、しまいにはアメリカ人の偉い識者の論考の訳文や、向こうのフォーラムサイトで、アメリカ人たちとバチバチ議論をしてしまうわけで、これはある種の才能も関わっているのではないかと思いますね。

 

 

・日本語古文ではディスカッション。心理の変化を絵に描かせる

 

次は高校生、日本語の古文だ。なんと平家物語である。こちらは若い男性の先生で、授業は日本語で行われた。

 

場面は熊谷次郎直実が捕まえた公達の首を掻っ切ろうとしたが、思いとどまったシーン。

「熊谷次郎直実は首を切ろうとしたんだよね。公達の首を切れば、自分の名前をあげることができる。しかし、公達の顔をよく見ると、まだ若く、おはぐろをしている少年だった」

 

と先生は現代の日本語に訳して、解説。ここまでは、日本の学校でもよくあるが、驚いたのはこれから。

 

「では、熊谷次郎直実がなぜ気持ちが変化したのか、グループで話し合って。それから、変化していく様子を3枚の絵にまとめてみて」

 

え、ディスカッション? しかも、絵にするの!? 

 

ああ、友人が好きそうな授業ですね(笑)

 

単なる詰込み教育よりも、こうやって生徒たちの興味を引くやり方は、非常に記憶に残るし、今でも友人は朝鮮学校の小学時代の日本語の授業で、四コマ漫画で話をまとめた内容を覚えていて、ディスカッション形式にせよ、ちとコミュ障にはつらいところもありますが、大人になれば是非必要になってくる能力なので、今のうちに鍛えておくことは大切だと思います。

 

 

古文の授業では、教師が言葉の意味と訳、時代背景を解説して終わりだとばかり思っていた。だって、そういう授業しか知らない。古文でディスカッション、絵と、あまりの発想の違いに驚いていると、先生は前回生徒たちが描いた3枚の絵を見せた。それはアニメタッチで兜姿の武将と馬が描かれていた。

 

たしか、友人が中学時代の朝鮮史の授業で、三国時代(高句麗・新羅・百済)の武将が、横山光輝風のイラストで紹介され、眠くなりがちな歴史の授業でも、積極的に参加できた話していました。

 

 

・朝鮮学校の魅力は自主的で自立的な教育

 

この日は保護者の総会もあり、ゲストとして招かれた朝鮮学校支援者の長谷川和男さんが講演した。長谷川さんは元日本の学校の教師。全国の朝鮮学校と幼稚園を行脚し、授業を見学した経験から、朝鮮学校の魅力を「自主的で自立的な教育が行われているところ」と語った。

 

「朝鮮学校の先生たちは日本の先生と違って自立しています。日本の文科省は先生たちの自主性を奪いました。しかし、朝鮮学校では先生たちが自分で考えて、授業をしています。残念ながら、朝鮮学校を支えている若い先生たちの給料はとても少ないので、心が痛みます。日本人でも朝鮮学校のすばらしさを知り、給食をつくったり、読み聞かせのボランティアをする人が出てきました。ともにがんばりましょう」

 

ここで文字数の制限があって、大幅に飛ばしてしまいましたが、もっとも大事な部分として、朝鮮学校に対して、私たち日本人はあまりにも知らなすぎています。

 

何も知らずに、単なる聞きかじりの情報で「洗脳教育」とか、ネトウヨたちを筆頭に「スパイ養成所」などと、ネットやリアルに関わらないデマが飛び交い、一般の認識としても、ポジティブなものではないのは事実です。

 

 

教室の前面には金日成・金正日親子の肖像画が掲げてあった。この肖像画については、いろいろ批判はあるだろう。でも、これだけ書いておこう。朝鮮は日本によって南北に分断された。日本に残った(残らざるを得なかった)朝鮮人たちの民族教育を支えてきたのは北だった。

 

たくさんの教室で目にしたのは、青く塗られた朝鮮半島の地図。統一を達成した朝鮮。さわやかなパステルブルーは、辺野古で見た海を思わせた。

 

まさに筆者のおっしゃる通り、私たち日本社会のありようとしては「とにかく北朝鮮を貶めなくてはならない」前提のもと、テレビ・新聞などのあらゆる媒体でそうした「基底化」が行われ、よくわからないうちに、これまた一部の「西洋的価値観」のかぶれから、本当に一面的な意味で「独裁は良くない」という考えだけで話を進め、そもそもあなた達が思っているほど、西洋の価値観は素晴らしくもないし、実際はエグイことも沢山やっています。

 

単に私たちは、自分たちへの批判へも繋がってしまうので、それを「見ない」ようにしていますが、別段北朝鮮に限らず、中国やロシアへの批判しかり、実際に存在しうる「客観的なシステム」に対し、単に西側諸国と違うからダメだと一点張りの姿勢をまったく変えません。

 

しかし現実は、私たちが「良しとしている世界以外のルール」が存在するし、それが必要とされる理由がちゃんとあるのです。

 

最後に、引用ブログでは朝鮮学校への先生や生徒の皆さま、保護者の方々への感謝の念で締めくくられていますが、私も今回のmimikuroさんの記事を拝読させて頂いて、今まで思っていたことの再確認や、これからの社会の在り方やら、色々なことを学びさせていただいて、この記事を宣伝して下さったかっちんさんにも、深い感謝をお伝えしたいと思います。

 

 

<参考資料>

 

・『かっちんブログ「堅忍不抜」』 日本の方から見たウリハッキョ ~朝鮮学校の授業参観に行ってきました!(ブログはこちら)

 

https://ameblo.jp/sanpurena/entry-12376093230.html

 

・mimikuroさんのブログ 

ウリハッキョへようこそ~朝鮮学校の授業参観に行ってきました!

 

・友人のイラスト

 

・『뿌리』(根っこ・PURI)東京中高連合同窓会 会報 2015.春 第3号

 

・bubkaさんのブログ『ここが変だよ在特会(仮)』 チマ・チョゴリ事件

https://ameblo.jp/korea-one/entry-10651832317.html

 

 

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