米国債保有、6年半ぶり首位転落


中国、マネー流出映す



【北京=大越匡洋】


中国が今年2月、米国債の国別保有額で6年半ぶりに首位の座を日本に明け渡した。


景気の減速で海外に資金が流出し、米国債を買う外資準備が減っているためだ。中国政府は米ドルに偏る外貨準備の運用をアジアのインフラ投資などに多様化する戦略も進めており、「ドル離れ」の動きを加速する可能性が出てきた。


米財務省が15日発表した国際資本統計によると、中国の米国債保有額が2月に前月比154億ドル減っており、6ヶ月連続で減少した。日本の保有額1兆2237億ドルで、中国の1兆2237億ドルを上回った。


中国が首位から陥落したのは、2008年8月以来だ。


中国の景気減速に米国の利上げ観測が加わり、中国に海外から流れ込んでいた資金が逆流し始めたことが大きい。中央銀行の中国人民銀行は人民元相場が急落するのを防ぐため、3月にドルを売って元を買う介入に踏み切った。


ドル売り・元買い介入に必要なドルは、主に外貨準備で保有する米国債を売って手当てする。


この結果、昨年6月に4兆ドル近くに達した外貨準備高は今年3月末に3兆7000億ドルに減った。特に3月末までの3ヶ月間で、約1100億ドルも減少している。


外貨準備分散にも影響


足元のマネーの流れの変化だけでなく、長い目でみても、中国が米国債の保有を徐々に減らす構図は続くとみられる、中国は米国の経済情勢や金融・外交戦略に自国の政策が縛られることを嫌い、「過度なドル依存」からの脱却を目指して外貨準備の運用の多様化を模索しているためだ。


その一つが、中国が主導して設立するアジアインフラ投資銀行(AIIB)だ。中国は独自に400億ドルのシルクロード基金も創設した。同基準では当初出資の100億ドルのうち、65億ドルを外資準備から出した。


AIIBや同基金を通じ、外資準備を米国債からアジアのインフラ投資に振り向ける戦略だといえる。


一方、日本は金融緩和で日本国債の金利が低下しており、相対的に利回りが高い米国債への投資が今後も続く見通しだ。中国も保有するドル資産の価値の目減りを警戒し、急激に米国債を売却する可能性は小さい。ただ中長期的には保有額を少しずつ減らしていくことが公算が大きいだけに、米中間の火種になりそうだ。



日本経済新聞 2015年(平成27年)4月17日(金曜日) 第3面 総合2 13版



この記事を読んで別段おかしくは感じませんでしたね。


簡単に言えば、「中国の景気減速で米国債保有率が日本を下回った、俺たち世界一!イエーイ♪」とするのでしょうが、問題は国債保有率の多さを競うのではありません。


大事なことは引用記事でも書いてある通り、「ドル売り・元買い介入に必要なドルは、主に外貨準備で保有する米国債を売って手当てする」と外貨準備における資金捻出に「米国債が売れるかどうか」なのが問題であり、利回りに買うのはもちろんのこと、またそれを売ることによって資金調達の流動性を確保するのが当然の考えではないでしょうか。


ここで単純に思い浮かべたのが、よくヤンキー漫画に出てくる『お化けのパー券』という、番長や格上の人物が、適当な値段をつけて舎弟たちに買わせる「実際には存在しないパーティー券」があり、どれくらいサバけるのかが各人の名声を担保します。


ここで分かりやすいやり取りを提示します。


『世界高校』で番長を名乗るアメリカクンが、「トモダチ」である日本にアメリカ国債を売りつける様子を書いてみます。



日本「ねぇ、アメリカクン。AIIBには参加するの?」


アメリカ「あ?参加しねーヨ。もちろんオメーもしねーよナ?」


日本「もちろんだよ。アメリカクンと僕は一心同体だからさ」


アメリカ「おう、わかってるじゃねーか。他のヤツらと違ってオメーだけは違うと思ったぜ」


日本「あ、ありがとう」


アメリカ「ところでよ。オメーに一つ買ってほしいものがあってな」


日本「なに?」


アメリカ「なあに、いつもオメーが買ってくれてるアレなんだけどよ」


日本「アメリカ国債のこと?」


アメリカ「そうそう」


アメリカ「そいつをもっと買ってほしいンヨ。んで、お前今どれくらいもってる?」


日本「1兆2237億ドルだけど」


アメリカ「ならもっと買えるよな」


日本「え?」


アメリカ「『え?』じゃねーよ。もっと買えるよなって訊いてんだよ」


日本「・・・・」


アメリカ「あ?なにオメー、俺の頼みが聞けねェっての?」


日本「いや、そんなんじゃ」


アメリカ「なら大丈夫だよな。いつも国債買ってくれてるお前じゃンヨ。これからもよろしくな」


日本「う、うん」


アメリカと日本別れる


他の同盟国たち「なにアメリカクン、また日本イジメてたのー?(笑)」


アメリカ「人聞きの悪いこと言うんじゃねーヨ(笑)ちょっと頼み事してきただけサ」


他の同盟国たち「とかいってー、またいかがわしいものでも買わせてたんでしょ」


アメリカ「まあな。いかがわしい国債つってもアイツ(日本)限定だし、利益も当然回る。その上俺とトモダチでいられる特権付だぜ?アイツには安すぎるくれーだ(笑)」


他の同盟国たち「言えてるー(笑)」


アメリカ「アイツ、友達少くねーからヨ。オレが保護してやんねーとたちまち周囲のエサだぜ。イギリスだって近代にアイツ保護してやって強くしてやったじゃねーか」


イギリス「たしかに」


他の同盟国たち「でも日本さー、アメリカクンのことメッチャ崇拝してんじゃン。『唯一の同盟国』(キリッ)とか言っちゃって」


アメリカ「ほんとーのダチってのはよ。同じ対等(タメ)張れるかって問題なんだ。ドーグ(核兵器)もって張り合える関係がヨ」


アメリカ「もちろんオメーらも俺にナメた態度取ったらブッ叩くから、そのつもりでいろよな?」


他の同盟国たち「ハハハ」