いきなりレギュラーとなった僕

初めての試合が待ち遠しくで仕方なかった

それは小学校の校区の子ども会チームを集めての大会

レフトでスタメン

同級生は僕以外には1人も出ていない

ドキドキワクワク   緊張や不安もあったがとにかく楽しみで楽しみで

絶対にヒットを打ってやろう

フライは必ずキャッチしてみせる

心はたぎっていた

迎えた第1打席フォアボール

塁に出た
よし、走ろう。

セカンドへ滑り込む

よし、ボールはこない。セーフだ!

・・・・・ランナーアウト!

なんでやーーーー!

離塁が早い!反則アウト!

そう、ソフトボールはピッチャーが投げてからしか盗塁してはいけないというルールがあるのだ

だが、そんなルールは知っていた

けど、離塁が早かったらしい。

気がはやったのだろう。仕方ない。
でもなんだか洗礼を浴びた気がした。

そして打球はとんでこない。

小学生の、しかもレベルの高くないチーム同士のソフトボール

なかなか外野には打球が飛んでこないのだ

ピッチャーはフォアボールを連発
内野へ飛べばエラーの連続

試合は惨敗。

打席はもう1度回ってきただろうか。
その結果はどうだったのだろうか。
今となっては覚えがない

覚えているのは

ちゃんと試合がしたい
こんなんじゃおもしろくない
やりたいのはこんな野球じゃない
強いチームで野球がしたい

という
純粋で  
残酷で
子どもらしく
素直で
ごもっともな気持ちたち。

世間が
大人たちが
そして今の自分自身が

面倒くささや  周りの目や  うしろめたさのせいにして
感じても無かったことにしてしまいがちな
そんな想いたち。