野球がしたくてたまらなくなった僕
小学校3年生になると、町内の子ども会のソフトボールチームに入れることを知っていた
迷わず入団
練習は多くて週に1度
試合は半年に1回ほど
毎週練習日を心待ちにしていた
キャッチボールにノックにバッティング
グラウンドで力いっぱいボールを投げれること
全力で走って打球を追えること
生きた打球をグローブでつかむことができること
バットをフルスイングできること
それだけですごく楽しかった 嬉しかった
初めての練習日の出来事は今でもよく覚えている
ノックでレフトに入った僕に向かって
監督はフライを打ち上げた
いま思うと人生で初めてノックを受ける小3に対してなので
きっと遠慮がちに打ってくれたのだろう
僕はそのフライをノーバウンドでキャッチした
まともにキャッチボールができる子は5、6人だっただろうか はっきり言って超弱いチームだった
だから僕がフライをキャッチした瞬間
みんなは奇跡でも目の当たりにしたかのような反応で僕をもてはやした
やべー!ゴールデンルーキー!すげー!
めちゃくちゃ上手いなお前!
いやいやそれほどでも でもこれくらいみんなが取れないと試合が進まないんじゃないの?
とか気恥ずかしさを感じつつも、
超気持ちよかった。嬉しかった。
家が隣の1つ上の幼馴染のYくんも俺が連れてきたんだとばかりに、なぜか得意げだった。
こうして3年生から6年生までのチームで、3年生の僕はいきなりレギュラーになったのだった。