『よき時を思う』by 宮本輝
芥川賞作家の宮本輝さんの最新の文庫本『よき時を思う』を読みました。もう何年になるのか記憶も定かではありませんが、氏の本を初めて読んだのはドラマ『青が散る』の再放送を観てしばらくしてからのことで、その『青が散る』を書店で見つけて即購入して読んだものでした。それまでは、単に名前だけ知っている小説家ってレベル。しかしながら、その『青が散る』を読んだところから、自分の宮本輝遍歴が始まったといえます。何度か単行本を購入したこともあったのですが、部屋が本だらけってこともあって、いつの頃からか、文庫だけを揃えるようにシフトして今に至るです。氏の文庫は全て書棚にあり、全て読んできています。おまけに、何度も何度も繰り返し読んてきたものがほとんどで、代表作とも言われている『錦繍』ともなると、もう50回以上になるかな。何度読んでも飽きない…ってことではなく、また読みたくなるっていうトーン。そんな作家っているんだろうか?って、正直、思ってしまいます。連作『流転の海』全9巻は、新刊が出るたびに第1巻から読み直したので、第1巻は9回、第2巻は8回っていう感じで読み返してきました。なので、ラストの第9巻はまだ1回しか読めてないことになります。今回、文庫として発刊された『よき時を思う』も、出てすぐに購入させていただきました。隙間時間で読んできたので、都合、読み上げるのに2週間ほどかかってしまいましたが、今日は仕事も休みで時間もあったので、残り100ページほどを一気に読ませていただきました。で、ここでその感想をどうこうしたいわけではないので、そういうことは書きません。その手の語彙も表現力も全く足りませんので。(^^;;一点、最後の「解説」のところ。作家の木内昇(きうちのぼり)さんて方が書かれているのですが、こんなに優しい言葉で書かれた「解説」は初めてかも?って思えるくらいに、「解説」でも感動してしまいましたね。一人でも多くの人に読んでもらいたい長編です。いつものことながら、あちこちで目が潤んできてしまいました。宮本輝さんの小説って、だから、電車の中では読みたくないんです。笑いを堪えるのが大変な時もあったりします。今日はたまたま家で読めたので、ラストあたりなんかもウルウルきてしまいましたが、一人暮らしで誰も居てませんから泣き放題。こんな感じで心を揺り動かすような小説って、今の時代、それほど多くはないんではないかなって思いますね。宮本輝さんも、あと少しで79歳となられるとか。ますますお元気で、ますます大きな作品を書いていっていただきたいと、一ファンとして心からお祈りしております。