Half-A-Room -21ページ目

記憶

愛を込めて



千葉佐倉
Mark Rothko 展


物事に明確な区切りをつけようとするなんて愚かなことだ


どうやって目を放したらいいのか
みつめてもみつめても
目がはなせない
いつ
見るのをやめたらいいんだろう

焼きつけようとしたところですぐに
褪せてしまうのはわかってる
脆弱なイメージ
脆弱な
目の裏

見た
という記憶はただの記憶だ
と思っていたけど
記憶が私を形作る
記憶が
好意をかたちづくる
愛情を

つまりは時間
記憶 に入り込みたい
記憶が愛情を形作るから
一秒後に記憶となっていくこの瞬間

記憶となった一秒前
の瞬間
がほしい

だから今目の前の私だけじゃなく記憶のわたしを愛して。
記憶の中の私だけじゃなく目の前の私を愛して


焦がれた
焦がれた人に
やっと会えたような瞬間

そしてまた焦がれるの
目蓋に焼きついた
淡くわずかな
色彩をたよりに

私はたぶんもう
ロスコしか好きじゃないのだと
思った