死とイケメン
向いの家のおじさんが亡くなった
それはクリスマスイブの事
特大のクリスマスケーキを切り分けたその時
玄関のベルが鳴った
警察だった
変わったことはなかったかと
その日の様子を聞かれる
母が質問されているのを見てこわくなる
事件性の有無にかかわらずお話を聞くんですよ、と
男性は言った(ほんとかよ)
当たり前だった日常が
ひとつゆらぐ
そしてまたそれにも慣れるのだ
私たちは
そういう風にできている
年明けて
それからはじめて
おばちゃんに挨拶した
御愁傷さま とかいえなかった
言っても空々しく響くような気がした
あたしはおじさんのこと知らないし
べつに悲しくなんかないし
警察の人は
声を聞くかぎり優しそうな人だった
あとで聞くとイケメンだったらしい
なぜ私が出なかったんだろうと後悔するが
もちろんあとの祭り