【放談】選手の言葉から伝わってくる「クルピサッカー」について (28節:鳥栖戦) | E.P & E.F.L

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 クルピ監督になって大きく変わったところ。
 昨日の鳥栖戦から見えてきた「クルピサッカー」について、個人的には、大きく2点。

 1)
 昨年、指揮していた頃と変わらず、選手にある程度の自由を与えたこと。特に、攻撃的なポジションの選手に関しては顕著。ポジションチェンジなどは制約なしにやらせているイメージです。

 2)
 そして、リスクを冒してでも、SBには攻撃への積極的な関与を要求していることかと思います。

 それによって、選手の個性や能力を引き出すことに成功して、結果が出ているのもありますが、選手たちは楽しみながらサッカーができるようになってきていると思います。


1)の内容に関しては、「吉野のコメント」が端的に示していると思います。

【J1:第28節 C大阪 vs 鳥栖】試合終了後の各選手コメント(12.10.06)


≪抜粋≫
Q:レヴィークルピ監督のサッカーに合っている感覚はするか?
「合っていますね。勝手にやらせてくれるので。縛りなく、自由に、右に行ったり左に行ったり。途中から出たらとりあえずボールに触りたいし、ボールの近くにおろうと、必死に走っていて、それが許されているのは、僕にとってうれしいです」


 吉野が、試合でこれほどまでに活き活きとプレーしてボールに絡んで、変化をつけて存在感を示したのは初めて見ました。

 動き回ってボールを引き出して、相手の穴を突くボール運びやパスは秀逸でした。
 一皮剥けたような印象を受けました。

 少なくとも、前監督であるソアレスさんの下でプレーしていた時よりも、自由を得ているという印象を強く受けました。

 結果的に、吉野は、こうもコメントしています。


≪抜粋≫
Q:左サイドバックに回ったヘベルチを多少気にしながらのプレーだったのでは?
「そう言われました」

Q:それでも抵抗なくできていた?
「あまり何も考えてなかったですね。とりあえずいっぱい走ろうと思っていて、ボールに触りたかったので。触らないと面白くないですし。楽しみながらやっていました。プレッシャーもなかったので」



 特に、選手が「楽しみながらできた」と言わせてしまうあたりは、やはりクルピ監督の選手の個性を引き出す能力は非常に高いんでしょうね。


 2)に関しては、クルピ監督の言葉から。

【J1:第28節 C大阪 vs 鳥栖】レヴィークルピ監督(C大阪)記者会見コメント(12.10.06)


≪抜粋≫
Q:最初に扇原選手を交代した意図は? また、途中からヘベルチ選手を左サイドバックに起用したことについては?
「~(略)~ 
 あのときに、グラウンドをパッと見渡して、試合に負けていること、そして、左利きは誰かと考えたとき、ヘベルチを左サイドバックで行こうと。その瞬間のフィーリングで決めました。決して練習したポジショニングではなかったが、吉野を含めて非常によく自分の役割を果たしてくれたと思うし、選手たちを心から称えたい」



 その場の判断で決断したことが分かりますが、クルピ監督にとって、SBの攻撃参加は、クルピ監督の攻撃的サッカーをピッチで実践していく上でどうしても欠かせないピースなんだと思いますね。
 傾向からして、ソアレス監督なら、右効きの選手でも、守備で計算できる選手を入れたのではないでしょうか?

 クルピ監督は、同じ勝点3なら、3引分より1勝2敗を志向したいと言っているように、リスクを冒してでも、SBで勝負させていくこと、サイドで数的優位を作って攻め上がることに躊躇はありません。

 左SBに、左効きの選手を入れようと考えて、守備のリスクを削ってでも、ヘベルチを配置したあたりに、やはり「攻撃的サッカーの真髄」を見た気がしました。



 そして、1)、2)からも、勝利という結果が出ていることからも、選手達のコメントを読む限りで、
 「自信を持って楽しみながらサッカーをしている」
 「チームの為に貢献したい」
 という想いがひしひしと伝わってきます。

 吉野、山下、ジンヒョンのコメントからは、特に伝わってきました。


 試合終了間際のPKを与えたシーンでも、曜一朗やケンペスのジンヒョンへの激励は、やはりチームがいい意味での「クールさ」と「試合への熱さ」を感じたし、チーム状況の良さを非常に感じます。


 クルピ監督が就任して、リーグ戦:4勝1敗、勝点12、得点10、失点8。
 勝利は、すべて1点差。

 接戦を制して、チームは自信を取り戻し、活き活きとサッカーをして楽しんでいる。


 短期間でここまで勝点を伸ばして、失点がかさねっているものの、セレッソらしい攻撃サッカーに内容ががらりと変わった手腕は、さすがクルピさんですね。

 いままでの継続路線から、クルピ監督も色がしっかりと出るように徐々に色付けをして、結果がしっかり出るようなってきたのが、3試合連続逆転での3-2での勝利だったのではないでしょうか。

 吉野のキレだったり、高さで強さを示した山下だったり、くすぶり気味のバックアッパーも個性を示しつつあるのが、また楽しみな材料です。


 週末、セレッソらしいサッカーで3連勝。
 3週連続晴れやかな気持ちで、週明けの月曜日を迎えられるのは嬉しい限り。


 今シーズンも残り6試合。
 クルピサッカーを最後まで貫いて、一つ一つ勝点を重ねていくことを継続していってもらいたいものです。