J1:第5節 大宮 0-3 C大阪 (スカパー) 【その3】. | E.P & E.F.L

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 最後の【その3】では、「守備面と、チーム全体での攻守のバランス」について書いていこうと思います。


 まず、守備面について。
 ここでいう守備面は、
 「ボランチ、DFラインの守備について(選手個々も含む)に絞りたい。


 私は、仙台戦後の課題 として、「選手層の薄さ」を挙げてました。

 仙台戦で浮き彫りとなった課題の1つは、今の時点で、CBと左SBの選手層が薄いこと。
 結局のところ、レギュラー選手とバックアッパーとの差が大きすぎるということなんですが。

 しかし、今日の大宮戦で1つは解消されました。

 「高橋大輔」の復帰により、解消されました。

 この日は、最も得意とする右SBではないけれども、左足のキックの精度もいいということで、左SBの先発に。

 約半年ぶりの公式戦だった訳ですが、恐ろしいほどの安定感で魅了した。

 高橋大輔の守備の強さは改めて感じた。


 元々スピードやアジリティーもあるし、体力も非常にある。で、フィジカルにもほとんど負けないし、球際にも強い。
 対人勝負の強さは見ていて安心感すら与えました。

 結局、1対1で後手をとらないんですよね。

 で、SBとしてのポジショニングも抜群だったし、大輔の左サイドが翻弄されることはほとんど無かったと思う。


 DFラインが、まさにきれいなラインになっていて、大宮が、DFラインの間を狙ってきても、茂庭・藤本康太・高橋大輔のラインは、スピードもフィジカルもあるので、かなり強固な守備ブロックができていた。

 高橋大輔は、ちょっと抜かれても、追いついてしまうスピードがあるし、そのスピードで強引に身体を入れられるフィジカルもある。
 空中戦でも強さを発揮していたし、慣れない左SBとはいえ、かなり機能していた。

 しかも、ビルドアップでの貢献も見事だった。

 もともとFWもMFもやったことのある選手なんで、ボールのコントロールが巧い。
 だから、攻撃時もボランチや2列目を使って、自らを押し上げてボールを前に運ぶことができていた。

 左からのえぐってのクロスという場面は無かったけれども、左サイドで高橋大輔と、ボランチ&2列目&で距離間を保って、数的優位を作ってボールを前に運ぶあたりのセンスは、さすがだと思った。
 半年ぶりだったり、急造での左SBとは思えないくらいの素晴らしいデキだったと思う。

 高橋大輔の復帰で、懸案だった左SBの選手層の問題は一気に無くなった。


 更に大きいのは、大輔が右SBもできるので、両SBでレギュラーとバックアッパーの差がほとんどない状態ができた。
 丸橋が戻ってきても、戻る場所があるのか?と思えるくらいの秀逸のデキだったし、丸橋が左SBで使われるなら、右SBの酒本も安穏としてられない。

 しかも、左SBもできる児玉新も既に練習試合に復帰しており、SBは左右ともに2枚ずつ確実に計算できる選手が揃ったことになる。

 両SBが一気に熾烈なレギュラー争いを繰り広げる展開になったのは嬉しい悲鳴。
 高橋大輔、酒本、丸橋、児玉と それぞれタイプの異なるSBだけに、対戦相手やコンディション、試合展開に応じて、彼らを使い分けることもできそうで、ソアレスにとってSBの選択肢が非常に増えたことになる。


 で、もう一つ、選手層の薄い部分でいえば、CB

 この大宮戦で、藤本康太が前節の出場停止から復帰したけれども、やはり彼の存在は大きい。
 茂庭&藤本康太のCBのコンビはスピードとフィジカルに長けているので、対人に強い。スペースをうまく突かれるとしんどいけど、2人の連携もスムーズで大宮に決定的な仕事をさせなかった。

 で、CBのバックアッパーですが、児玉新の練習復帰が大きいのかなと。
 彼は上でも書いたように左SBもできるし、CBもできる。
 児玉はJ1でも出場実績があり、レギュラーを掴んでいた時期もあるので経験値もそれなりにある。

 CBも児玉が使えるメドが立てば、そこそこ対応できるのではないかと思う。


 DFラインのメンツについては、CBは少し未知数の部分があるものの、レギュラーとバックアッパーで遜色のないレベルになりつつあるのではないかと思う。



 で、最後に「チーム全体での攻守のバランス」について。

 主に守備面のバランスの話になるんですが、今年のチーム、ボールを奪われても、2列目も踏まえて、戻りが早い。

 相手ボールの時に、確実に埋めないといけないスペースは、各ポジションできっちり約束事があるように思う。

 ボールを奪われて、相手のポゼッションになれば、攻守の切り替えを早く、思い切って前に出て獲りにいく場合もあれば、遅攻の場合は、ボランチはボールが取れなくとも、サイドに追い込む形を作っている。

 それは、イコール、ここだけは絶対に守るべきゾーンというのがチーム内で共有されていて、中央のバイタルの部分だけは絶対に侵入させないような守備の約束毎を作っているのではないかと思う。

 中央に放りこまれても、セカンドボールを拾う意識はDF陣も両ボランチも非常に高いし、中央は密集になってでも、掻きだすようにマネージメントしているように思う。

 リーグ戦5試合、ナビ杯1試合を見ていての憶測でしかないのだけれども、昨年よりも間違いなく守備の約束事がが多くなっているように感じます。


 大宮戦では、ボールを奪うのが低い位置ならば、何もかも繋ぐことだけを選択せずに、時間帯やペースに応じて、大きくスペースやケンペス目掛けて出すということもやっている。

 守備だけで見てもバランスが良くて安定していたし、リスク回避もきっちりできているから、大宮戦では大きく崩れる心配は無かった。



 正直、怖かったのは、慢心や不注意からのミス。
 それだけだった。

 そういうミスで、一気にリズムを失って、ペースを奪われることがあるけれども、そういったペースが相手にいきそうな時も、ソアレスは、うまく交代枠を使っていた。

 曜一朗に中盤を落ち着かせさせたり、播戸に裏のスペースを狙わせて相手が前掛りになるのを阻止したり、永井を入れて、播戸と永井のフレッシュな選手で前線からのプレスを厚くして、大宮の安易な放り込みを阻止したり。


 前半は膠着状態の時間もあったけれども、試合トータルで見た時、大宮戦は正直、磐石の形での勝利だったと思う。

 第三者が見ても、『セレッソ強し』と感じる試合だったんじゃないかなと。

 攻守で安定していた。

 うまく相手と噛み合ったとか、まぐれの部類での勝利ではない。
 前節、首位仙台戦の敗戦がムダにはならなかった。

 必然的な勝利を、自ら手繰り寄せた試合だったと思う。

 今年は、気持ちいい勝利が多い。
 ソアレスさん、さすがじゃないですか。



 「惚れてまうやろーーーーーーー!!!!!!!!!こんな磐石な勝利されたら、惚れてまうやろーーーーーーー!!!!!!!!!、ソアレスさん、次も勝利たのんまっせ!!!」


 以上、【その3】で大宮戦のレビューは終了でございます。

 ありがとうございました。