鎮座地:新潟県新発田市五十公野

御祭神:倉稲魂命

式内社:石井神社 沼垂郡五座のうちの一座

 

 創祀年代不詳。新発田市五十公野丘陵の石井堂山(石井戸山)の頂上に鎮座し、現在は「いわい」と呼称している。参道の鳥居をすぎると急峻な岩山の崖道となり奇岩や巨岩がそそり立ち、神域を感じさせる。これらの巨石を神座として祀り、神格化したものと考えられている。参拝時は一部巨岩群や参道がコンクリートで補強され、工事中のようであった。安全のため止むを得ないことと思うが、人工物に少し神域感が薄れてしまったように感じた。
 現在の御祭神は倉稲魂命だが、「神社明細帳」では、倉稲魂命、「北越風土記節解」では、石井主命、「越後野志」では御井神、「地理志料」には大彦命とあり、「特選神名牒」には御祭神の記載がない。山頂 の拝殿前に清水の湧く井戸(現在 は枯渇)があったことから石の井戸がある神社ということで「石井神社」になったと伝えられている。また近世には、馬頭観音、岩井堂観音と称し、天保年中に境内外に三十三観音の石仏が建立されたが、維新の際、神仏混淆を区別し除去したという。丘陵の麓の鳥居と道を挟んで反対の丘陵には、古四王神社(大彦命)が鎮座する。