鎮座地:新潟県村上市桃川(旧神林村)

御祭神:阿多加夜努志多伎吉比売命

式内社:多伎神社 磐船郡八座のうちの一座(論社)

 

 百川の支川に合流する根古屋沢に、「男滝」と「女滝」の二段の滝があり、二段目の滝の左手前に小さな祠が鎮まる。古代の人々は神が宿る滝として崇め、やがて多伎神社が祀られました。現地では滝と神社に畏敬と親しみを込めて「おたきさま」と呼ばれています。
 現在祠がある場所に明治時代まで二間四方の社殿が建っていたという言い伝えがあり、これを裏付けるように掲げられていたとされる明治2年作の「多伎神社額」が現存している。明治40年に同じく桃川にある式内社桃川神社に合祀された。江戸時代に桃川神社に神主として代々奉仕した佐藤家に伝わる文書には「(桃川神社、多伎神社)二神共に延喜式之霊跡也」、「桃川神社、多伎神社、延喜式内旧社」と記されており、式内社であると伝承されてきた。
 滝周辺は古くから神域として保護され、今も原生のままの自然が残されており、神域らしい清々しい空気につつまれている。国道290号線沿いに駐車スペースがあり、滝を見ることができる。滝と祠に向かうには、山道を下り狭い道を進みます。参拝時、祠の手前にヘビがいて驚きました。神使だったのでしょうか。
 2018年9月、県民生活・環境部環境対策課に、「桃川のおたきさま」として新たに「新潟県の名水」として選定されました。

 

 

 

写真は2019年9月参拝時